■■ Weekly Fax News 893 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 NO MORE 賃金泥棒プロジェクト開始 」
(2)「 寝食を忘れて働く人 」
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◆「 NO MORE 賃金泥棒プロジェクト開始 」◆
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弁護士や労働組合などを中心に、あらゆる賃金不払いを一掃しよう
とするプロジェクト「NO MORE 賃金泥棒」プロジェクトがスタ
ートした。どこかで聞いたようなフレーズと動画が話題になっている
が、これは映画館で上映される「NO MORE 映画泥棒」のパロデ
ィ。
動画やパロディとしての質の程度はさておき、このプロジェクトで
ターゲットにしているのは、「着替えを済ませないと出勤時のタイム
カードが押せない」、「最低賃金より安い」、「残業代が払われない」
などだが、動画の中で「時給を1分単位で計算せず、ちゃっかり切り
捨てるのも犯罪です」と言い切っている点が注目を集めている。
実務的に、時給者の労働時間を毎日1分単位で集計している方が少
数派という指摘もある中、この文言だけが独り歩きすることを懸念す
る声があがっている。こうなると1分単位で労働時間を集計していな
い=ブラック企業という烙印まで押されかねない。思わぬ横槍に顔を
しかめている経営者も少なくないだろう。
実際、この流れを受けたせいか、求人情報誌には「時給は1分単位
で計算しお支払いします」といった表現が目立つようになっている。
プロジェクトの影響で1分単位集計が当然の時代がくるかもしれない。
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◆「 寝食を忘れて働く人 」◆
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今も昔も、文字通り「寝食を忘れて」仕事に没頭する人がいる。年
配の知人(宴会場経営)の中に、「創業の頃は、三度の飯は客足の切
れ間に立ったまま掻き込み、夜は長靴を履いたまま調理場で寝た」と
いう自営者がいる。現代もブラック企業の件が話題になるが、長時間
労働は自営者の宿命かもしれない。しかし、自営者本人が年中無休で
何時間働いても労働基準法違反にはならないが、当然その家族従業者
や雇用従業員を巻き込むことは許されない。
ところで、現在労働者には労働時間の厳しい法的規制がある。しか
し、実質的な労働時間規制が野放し状態になっている職業も多い。一
例を挙げれば、小中学校の教員である。マスコミの報道によると、教
員の相当割合が夜遅くまで学校に残り、かつ帰宅後も翌日の授業の準
備やテスト作り等をしているそうだ(恐らく、帰宅後は残業の意識は
ないのであろう)。また、学級担任の教員は負担が増える同僚に遠慮
して、年休を取らない者も多いと聞く。職業の特性、地位等によって
労働時間や残業の観念が異なるが、今や指揮命令によって拘束される
人の労働時間はきめ細かい管理が求められている。今後、一般の労働
者が「寝食を忘れて」働くことを強制されるような組織体は、存続が
難しくなるであろう。