■■ Weekly Fax News 732 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 早めの対策が必須 ― 高年齢者雇用 」
(2)「 的を定める 」
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◆「 早めの対策が必須 ― 高年齢者雇用 」◆
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改正高年齢者雇用安定法が成立した。
本改正により、2013年4月から原則として、希望者全員の65
歳までの雇用確保が企業に義務づけられることになる。ただし、その
者の健康状態や勤務態度に問題があり、著しく就労に支障をきたす場
合等については継続雇用の対象から外すことは可能であるし、雇用確
保が求められる年齢についても経過措置があり、段階的に65歳まで
引き上げられることになる。
高年齢者雇用については、若年労働者の就業機会を喪失させている
といった指摘も根強くある上、なによりも人件費負担が重いという側
面は否めない。しかし、本改正が成立したことにより、企業として根
本的な高年齢者雇用対策を講じる必要があるだろう。
年金支給開始年齢の引き上げという、いわば国の年金財政運営上の
ミスを完全に企業に押しつけた形になっている高年齢者雇用ではある
が、企業としての社会的責任という観点からはしっかりとした対応が
求められている。本改正法に違反し、厚生労働省の勧告に従わない場
合は社名公表というペナルティもある。
待ったなしの今回の改正にどう立ち向かっていくのか、企業として
の長期的視点や経営理念が問われることになるだろう。
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◆「 的を定める 」◆
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弓矢の練習に的が無ければ上達しないように、学問や仕事にも的
(目標値や戦略)が必要である。仕事上の的は、経営者や管理者が各
種計画の中に目標値や戦略の達成水準を明確に定めることが有効であ
る。
例えば、販売業の経営計画の的には、売上・利益の目標値とその達
成手段の戦略、接客水準・クレーム処理水準の改善策等がある。的を
定めれば、その達成手段を次々に練っていくことが出来るのである。
売上目標であれば、客数や客単価を一定率伸ばす販促法や商品構成の
戦略を構築する。利益目標であれば、売上原価や経費を一定率節減す
る計画を立てたりする。結果、達成根拠のある売上・利益を目標値で
表す。
ところで、経営コンサルタント等が各種計画策定の提案をすると、
経営者から「計画を作っても、結果が計画通りにならない。管理者や
社員が関心を持たない」と言われることがある。実情を聞くと、過去
1回の不首尾に懲りて策定を止めていたり、策定に不備があったりす
る(達成手段や戦略が曖昧で目標値の達成根拠が無く、単に努力する
という表現が目立つ)。これは計画策定意義に対する誤解である。達
成根拠のある目標値を的として定め、具体的な達成手段を戦略にすれ
ば、期待に沿った計画成果を相当獲得出来るものである。