■■ Weekly Fax News 760 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 H25年度税制改正大綱 ― 雇用促進と所得拡大税制活用 」
(2)「 気象変動は商人の出番 」
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◆「 H25年度税制改正大綱 ― 雇用促進と所得拡大税制活用 」◆
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今回の税制改正では所得拡大促進税制が創設されるとともに、雇用
促進税制における税額控除額の変更(現行20%から40%へ引上げ)
も盛り込まれた。
所得拡大促進税制は、基準事業年度比5%以上の給与増について、
法人税または個人事業主の所得税額から増加額の10%の税額控除を
認める制度。申告時に要件を満たしていれば、適用可能である。一方
の雇用促進税制では、前期末と比べ当期末の雇用者を5人(中小企業
は2人)以上かつ10%以上増加させたことが必要になると同時に、
適用を予定する事業年度開始後2ヵ月以内に「雇用促進計画」をハロ
ーワークに提出しなければならない。ともに、控除できる税額は法人
税額または所得税額の10%(中小企業は20%)が上限。
両制度は選択適用となるため、メリットの大きいほうが選ばれるこ
とになるが、特に中小企業では、雇用や給与の増減は事業年度が終了
してから明らかになる場合も多い。23年度では、2万3,667件
あった雇用促進計画の受付件数のうち、達成状況の報告があったのは
6,597件。計画の未達成や赤字によるものとみられる。報告がな
くても罰則はないため、選択の判断ができない場合は、ひとまず計画
を作成・提出しておくと安心だと言える。
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◆「 気象変動は商人の出番 」◆
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本年は桜開花が非常に早かった。桜開花が早い年は景気が良くなる
そうだ。花見シーズン到来を聞くと、春物衣料の買い物や春の行楽が
早まったと考える為か、早いほどその期間が長くなるからであろう。
また本年は、関東では3月のうちに夏日が来たが、近年は従前の衣更
え期を待たずに夏服の需要が発生するようになった。またクール・ビ
ズと称して、ネクタイや上着を着用することをしなくなった。商人は
四季の変化や各種行事に応じて、毎年同じような日程で品揃えや店舗
演出等を工夫してきたが、近年はやや変則的になっている。気象の変
動が早くなり、各季節が従来よりも1~2ヵ月早く到来するように感
じられるようになった。商活動も本来の時期よりも早くから開始する
ものがある。例えば、成人式や七五三の記念写真は9月~10月に済
まし、記念日には宮参りや式のみをしたりする。クリスマス等は11
月中旬頃から始まる年末商戦の一部になっている。気象の変動、及び
それに伴う商慣習や購買行動の変化は、クール・ビズによるネクタイ
需要の減退のように深刻な問題がある反面、新しい商品開発や既存商
品の需要拡大(花粉症でマスク等)の機会になっている。まさに気象
変動は、商人がアイデアを競って活躍する出番を提供する。