■■ Weekly Fax News 773 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 無効な解雇により休んでいた期間も出勤扱いに 」
(2)「 旅と観光資源の活用形態 」
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◆「 無効な解雇により休んでいた期間も出勤扱いに 」◆
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有給休暇を取得するには出勤すべき日数の8割以上の出勤という条
件を満たす必要がある。この規定は、自己都合による欠勤率の高い社
員には有給休暇を与える必要がないという趣旨であり、会社側の無効
な解雇により休んでいた期間も出勤扱いにすべきという判決が最高裁
であった。
多くの会社にとって、それほど印象深い判決ではないかもしれない
が、見方を変えると注意すべき事案であることがわかる。この事案は、
そもそも会社の解雇が無効であると争っていた社員が、解雇無効の判
決を受けて元の職場に復帰したところから始まっている。社員を解雇
しても、裁判で争われて解雇が無効となった場合には職場復帰という
リスクがある点にまず注意が必要だ。そして、復帰直後に再び労使間
でトラブルとなり、裁判で、しかも最高裁まで争われているという点
にも着目したい。つまり、労使間紛争はきれいに解決できなければ、
再燃を含めてかなり長期化することがあるということ、そうなれば自
社のイメージダウンにもつながる上、訴訟費用の負担、訴訟のための
人員の配置なども必要となり、経営に与える影響は看過できないレベ
ルになるということも再確認しておきたい。なお、この事案は200
7年の解雇に端を発している。
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◆「 旅と観光資源の活用形態 」◆
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現代人は旅行が大好きである。新婚旅行・卒業旅行・修学旅行・社
員旅行・温泉旅行・熟年旅行等多種の名目を設けて国内外の旅をして
いる。旅行は、日常生活を離れる楽しみとして最適なのかもしれない。
ところで、最近は自治体や商工団体等が中心になり、観光資源を掘
り起こして観光旅行者の増加策や商店街の活性化に結び付けようと躍
起になっている。温泉・寺社・史跡名所等に恵まれて成功している町
もあれば、観光旅行者を呼ぶ決め手になる資源が見つからず困惑して
いる町もある。観光資源の掘り起こしに努力している自治体等の方策
には大きく分けて2通りある。
一つは、観光資源の価値は町外から来る観光旅行者が関心を持つか
否かで決まると言うものである。祭事・温泉・史跡・景勝地等を宣伝
したり、テーマパークのような施設誘致をしたりするものである。も
う一つは、遠方からの観光旅行者よりも町内や近隣の人々を対象に観
光資源を訴えるもので、地元の観光資源を見直すことである。将来も
旅行や観光が益々盛んになることが予想される。観光資源は場所に依
り大きな格差があることから、主に町外や国外からの旅行者へ訴求す
るのか、それとも町内や近隣の人々に訴求するのか、その目的と方針
・戦略を冷静に選択するべきである。