■■ Weekly Fax News 782 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「『ブラック企業』について相談が殺到 」
(2)「 門前市をなす 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「『ブラック企業』について相談が殺到 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
既報の通り、厚生労働省では9月を過重労働重点監督月間とし、い
わゆる「ブラック企業」対策を開始した。その一環として行った無料
の電話相談では、スタート初日において1,024件(速報値)もの
相談が寄せられたことが明らかとなった。
相談内容としては、「残業代の不払い」が最多で556件、以下
「長時間・過重労働」が414件、「パワハラ」が163件と なっ
ている。注目したいのは相談者の属性で、労働者本人からの相談以外
にも家族からの相談が223件(21.4%)あったことだろう。労
働者本人は相談することで今後、会社に居づらくなるかもしれないと
いうためらいがあり相談できなくても、家族が「毎日帰りが遅いのに
残業代が支給されていない」という相談をすることも十分起こり得る。
同省では相談内容を精査した上で今後の対応に活用するということだ
が、場合によっては事業所に立ち入り調査が入る可能性もある。見込
み残業手当等の支給をすることもなく、労働者の時間外労働に対して
一切の残業代を支払っていないような事業所では、厚生労働省や労働
基準監督署からかなりの圧力を受けることもあり得そうだ。そのよう
な事業所においては、調査される前に自社の状況を確認し、早急に対
応を検討すべきだろう。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 門前市をなす 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
客が少しも来ない…個人宅であれば静かで良いかもしれないが、店
舗や会社であれば実に困った事だ。このような現象を、「門前市をな
す」の対語として「門前雀羅(じゃくら;雀をとるアミ)を張る」と言
う。商売には「勢い」と言うものがある。一日数人しか来店せず暇を
もてあましていたような店舗が偶然マスコミに取上げられ、店前に行
列が出来る程になる場合がある。顧客の気まぐれと思っていると、店
主が商売工夫に目覚めて本格的な繁盛を続けることも珍しくない。X
店(惣菜販売業)は7年前に姉妹で創業したが、最初の3年間は競争
が激しくて売上が低迷した。月末の給料支払や借入金返済が厳しかっ
た。ところが、元々洋裁教師をしていた姉が特徴のある作業着を次々
に創作して姉妹やアルバイトが着用したところ、地元新聞が記事にし
て地域の話題となった。するとファッションに関心のある顧客層が大
勢来るようになり、あわせて個性的なメニューや店頭看板も工夫する
ことで大繁盛店となった。
「門前市をなす」程の繁盛店作りは月並みな努力では実現しない。
チャンスは誰にも必ず来るものであるが、繁盛が継続するかどうかは
別である。その成否は、流行等偶然の幸運に甘えず、独自の力を発揮
して顧客の共感を得るかどうかに依るものだ。