■■ Weekly Fax News 785 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 最低賃金引上げへの対応 ― USJは人件費増3億円規模 」
(2)「 接客の順番と差別化 」
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◆「 最低賃金引上げへの対応 ― USJは人件費増3億円規模 」◆
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最低賃金の引上げ額と発効日が徐々に出揃い始めている。自社の所
在地の地域別最低賃金額はしっかり抑えておきたい。
大阪府の最低賃金は800円から819円に引き上げられ、10月
18日から発効することが既に決まっている。それらの状況を受け、
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの運営会社が10月からアルバイ
トやパート従業員の時給の最低水準を50円引き上げ、850円にす
ると発表した。同社によると、引上げ対象は約6,000人。
仮にこの6,000人全員が年間を通して週20時間(年間50週)
働くと仮定すると、単純計算で3億円の人件費増となる。社会保険や
労働保険に加入している従業員の場合は、その企業負担分も増加する
ことになるため、さらに負担増となる。
同社では好業績が続いていることもあり、2001年の開業以来初
めての賃上げに踏み切ったようだ。時給を引き上げることでよりよい
人材の確保を目指したい意向だ。そこまでの賃上げが可能かどうかは
さておき、各社とも最低賃金が確定したところで、自社の賃金水準が
それを下回っているようであれば当然に賃金引上げを行う必要がある。
どの程度まで引き上げるか、近隣の事業所の時給も確認の上、決定す
る必要があるだろう。
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◆「 接客の順番と差別化 」◆
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誰にも経験があるだろうが、飲食店等で注文や料理を待っていたら
自分より後から来たお客を先に接客した。近年、接客の順番は多くの
店舗が厳重な注意をしているが、うっかりミスしてお客に不快感を与
えることになる。そもそも接客の原則は、(1)安定したサービスを
出来るだけ待たせないで、(2)全顧客に公平な提供をすることであ
る。しかし、接客の公平を守れば商売繁盛するかと言えば、ノーであ
る。むしろ逆の工夫をして店舗や施設(ホテル・病院・遊園地等)の
差別化をしている場合も珍しくない。例えば、飲食店で高齢者が一般
客に優先して早く食事が出来たり、固定客(又は固定客からの紹介)
でなければ受け入れない料亭があったり、宝石店で一般客は店頭で接
客するが上得意客は別室で接客したりする等がある。さらに、来店し
たお客を公平に扱わない手法をシステム化している商法もある。予約・
紹介制にして来店順に優先させたり(予約・紹介が無ければ受け入れ
ないこともある)、会員制にして会員客を優遇又はランク付けしたり
する等の手法がある。一般に顧客は順番等において公平な接客を求め
るが、自分だけ優遇するような接客を歓迎する面もある。従って、顧
客感情や商道徳に反しない中で、時には差別化された接客を工夫する
必要もある。