■■ Weekly Fax News 798 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 『回復』を見込むが急増 14年の景気 ― 帝国データ 」
(2)「 親が子を教育する難しさ 」
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◆「 『回復』を見込むが急増 14年の景気 ― 帝国データ 」◆
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帝国データバンクが11月下旬、全国の企業を対象に実施した20
13年の景気動向および14年の景気見通しに関する調査によると、
13年は景気が「回復」局面だったと判断する企業が26.2%で、
前年の2.1%から大幅に増加、こうした調査を開始した06年以降
で最高だった。「悪化」局面だったと判断する企業は、前年の50.
1%から8.0%へと劇的に減少した。一方、14年の見通しでは、
「回復」を見込むが23.7%、「悪化」を見込むが16.5%で、
25年に比べ、企業がやや慎重な見方を強めていることがわかった。
ただ、全規模、10業界中8業界、10地域中7地域で「回復」が
「悪化」を上回り、景気の方向感は改善傾向にあると考えている企
業が多数を占めた。14年の景気への懸念材料は「税制」が前年比
23.8ポイント増の58.6%で最多。さらに「原油・素材価格
(上昇)」が33.2ポイント増の53.0%と5割を超え、景気へ
の悪影響を懸念する企業が大幅に増加した。景気回復のために必要
な政策では、「個人消費拡大策」「所得の増加」「法人向け減税」
「個人向け減税」が上位となり、個人と企業双方への対応を求めて
いる様子が浮き彫りになった。駆け込み需要は15.0%で、「建
設」では約4割が「すでにあった」と回答した。
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◆「 親が子を教育する難しさ 」◆
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中国古典『孟子』の中に、「古(いにしえ)は子を易(か)えて之(こ
れ)を教う。父子の間は善を責めず。善を責むれば即(すなわ)ち離
(はな)る」とある(内野熊一郎著『孟子』新書漢文大系・明治書院発
行参照)。簡単に言えば、親が自分の子に勉強や道徳を教えることは
難しいというものだ。同族会社の後継者教育においても同様で、社長
が後継ぎの息子や娘(又はその夫)に経営者教育をしようと考えても
中々実行が進まないのである。この現象を早くから察知した経営者は、
自分で教育するよりも第三者に委ねることが得策と気づくようだ。例
えば、商工団体の青年部に参加させたり、学校卒業後の数年間は他社
で勤務させたりする。さらに、事業承継を具体的に考えるようになる
と、経営者として必要な経営技術(営業・会計・税務・人事・交際・
法務等)の教育を専門的な第三者に求めることが多い。親や社内の誰
かに教育する力があったとしても、それ以外の人間(例えば、弁護士・
税理士・中小企業診断士等の専門家又は同業他社の経営者や知人等)
の方が後継者は素直に耳を傾ける。前掲の「古は子を易えて之を教う」
とは、親同士が互いに子を換えて教育したと言う意味である。今後、
後継者教育の需要に応じる為には、弁護士・税理士等は専門知識だけ
でなく、高度の教養と人間修養が求められる。