■■ Weekly Fax News 258 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 中小企業者の消費税改正案
―16年4月から実施 」
(2)☆ FAXコラム ☆ : 「 初歩と次歩 」
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◆ 「 中小企業者の消費税改正案
―16年4月から実施 」 ◆
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消費税率の改正論議が巻き起こっているが、その前提になるのが益
税等の現行税制の払拭であるとされ、平成15年度税制改正にそのい
くつかが織り込まれており、中小企業者の負担が増す改正になってい
ることも見逃せない。
平成15年度の消費税改正の特色は、適用時期が「平成16年4月
1日以後に開始する課税期間」となっているため、後になって実施の
痛みを感じる恐ろしさがあるわけだ。与党三党の平成15年度税制改
正大綱は、消費税の改正について、「消費税に対する信頼性、制度の
透明性を向上させる観点から、次の措置を講じる」としている。「1.
中小企業者に対する特例措置=(1)事業者免税点制度の適用期限を
1,000万円(現行3,000万円)に引き下げる。(2)簡易課
税制度の適用上限を5,000万円(現行2億円)に引き下げる。2.
申告納税制度等=(1)直前の課税期間の年税額が4,800万円
(地方消費税込6,000万円)を超える事業者は、中間申告納付を
毎月(現行3月ごと)行うこととし、原則として前年確定税額の12
分の1ずつ申告納付する(2)事業者のの選択により課税期間を3月
とする特例制度について、新たに課税期間を1月とする特例を設ける。
3.取引価格を表示する場合、税込価格表示を義務付ける」
(財務省・税制改正大綱)
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◆ ☆ FAXコラム ☆ : 「 初歩と次歩 」 ◆
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知り合いの不動産管理会社の社長が嘆いて言った。成果主義を採用し、
人事評価を始めたら社員が勉強をしなくなったと言う。
賃貸の成約数などを競う余り賃借人の信用状況をマニュアル通りに調
べなかったり、物件を詳しく見ないうちに仲介を引き受けたりする。パ
ソコンの画面はよく見ているが、現場や登記所にはほとんど行かない。
思い余って調査や接客の研修会などをしようとしても、仕事が忙しい
と言い訳して欠席しようとする。昼間の研修会に出た分、残業が増える
というのである。強く注意すれば退職し、補充した社員が同じことを繰
り返す。
「苦は楽の種、楽は苦の種」と言うが、いつの時代も成るべく簡単に
大きな成果を得ようとするのが多くの人間らしい。明治初期の本にも、
次のような文がある。
「すべての世の事物には初歩と次歩との区別あるものにて、初歩の第
一歩を処するには、之をして次の第二歩に適せしむるの工夫なかるべか
らず。故に次歩は初歩を支配するものと云うも可なり。」(出典:福沢
諭吉著『文明論之概略』)
会社の経営状況が厳しくなり、人材評価の基準は表面に現れた成果を
重んじるようになったので、初歩的な仕事や人間性向上の修養に打ち込
む社員が益々減っている。