■■ Weekly Fax News 265 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 総報酬制 ― 4月から実施 」
(2)「 床屋と美容院 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 「 総報酬制 ― 4月から実施 」 ◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
この4月から、「厚生年金保険制度」が変わり、月給と賞与に同一
の保険料を適用する「総報酬制」が導入される。
現行の制度では、保険料は、月給(報酬月額)に保険料率を乗じて
算出される。保険料率は、17.35%。これを労使で原則8.67
5%ずつ折半している。賞与については、支給金額に対して、1%の
特別保険料(原則0.5%ずつ労使折半)により、徴収が行われてい
る。しかし、この現行制度は、次のような問題点があると指摘されて
いた。(1)被保険者間で、同一の年収であっても、賞与の年収に占
める割合により、保険料負担総額に差異が生じていた。特に給与水準
が高い人ほど年収に占める賞与の比率が高い傾向がある(2)年俸制
など導入され、月給と賞与の区別が不明確になってきている(3)給
付面では、月給だけを賃金として、在職老齢年金の支給停止額の計算
をしているため、同一の年収の年金受給者でも、年収に占める賞与の
割合で支給停止額が異なる状況が起きている。
そこで、この4月から、賞与についても月給と同一の保険料率を適
用する総報酬制度が導入されることとなった。料率は、年間に負担す
る保険料が変わらないようにするため、「13.58%(労使折半6.
79%)」に統一される。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 「 床屋と美容院 」 ◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
「床屋」というと、古い商売のような懐かしい郷愁をおぼえる。中
高年の世代から考えると、床屋(理容院)は楽しく雑談しながら整髪
してもらう所という、一種のリラックス空間をイメージする。
ところが、最近の理容院では、あまり世間話などしなくなっている。
髪の仕上げ具合など必要なことは話すが、昔のように理容師と客が話
し込むような雰囲気ではない。お互いに元気がなくなっている。
さて、理容院の施設数や理容師数は横ばいだが(約14万ヶ所、約
25万人)、美容院の方は、施設数と美容師数が着実に伸びている
(約20万ヶ所、約34万人)。男性も美容院に行く人が年々増えて
いる。これらの現象はなぜだろう。
まず、美容院は美顔エステなど流行のサービスを取り入れたり、あ
らゆる髪型モデルを用意したりと、創意工夫の競争が盛んである。客
は、多少遠くても車で郊外の美容院まで行くし、電車で行くこともあ
る。
理容院の客は、自宅や会社の近くを利用し、多少不満があっても同
じ所に行く。固定客中心だ。しかし、大きな潮流が変化している。客
全体が、理容院から美容院へ少しずつ移動している。美容院のパイは
拡大し、理容院のそれは縮小している。対策を考える時節になってい
るのではなかろうか。