■■ Weekly Fax News 270 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 見逃せない社会保険の改正点 」
(2)「 良い命令、悪い命令 」
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◆ 「 見逃せない社会保険の改正点 」 ◆
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4月以後、人事に関する変更が予定されています。保険料の負担増
になる事項もありますので、資金繰りの上でも、要チェックです。
総報酬制で企業もサラリーマンも負担増
サラリーマンの場合、健康保険や厚生年金の保険料は、原則的には、
毎月の給料をもとに決められ徴収されています。
この4月からは、「総報酬制」が導入され、賞与からも毎月の給料
と同じ料率で徴収しなければなりません。
【影響と対応は?】
・4月以降、厚生年金・健康保険の給与天引き分は減る(手取額は増
える)が、賞与の天引き分は増える(手取額は減る)ことになります。
この点を社員に周知させておく必要があります。特にボーナスの年収
に占める割合が大きい人は要注意です。
・賞与時は企業負担も増えるので、資金繰りを見直す必要があります。
◇中小企業の場合
政府管掌健康保険に入っているところでは、次のようになります。
┌────────┬────────┬───────────┐
│ │ 現 行 │ 平成15年4月以降 │
├────────┼────────┼───────────┤
│厚生年金保険 │ 月収の17.35% │月収及び賞与の13.58% │
│ │ (労使折半) │ (労使折半) │
├────────┼────────┼───────────┤
│政府管掌健康保険│ 月収の8.5% │月収及び賞与の8.2% │
│ │ (労使折半) │ (労使折半) │
├────────┼────────┼───────────┤
│賞与(3回以下) │ 各 1 % │ ― │
│ │ │ │
└────────┴────────┴───────────┘
夏期賞与に1社員に50万円支給した場合の例
┌──────────────┬──────────────┐
│ 現 行 │ 平成15年4月以降 │
├──────────────┼──────────────┤
│ 厚生年金と健康保険料は、 │ 本人及び会社ともそれぞれ │
│ 本人及び会社ともそれぞれ │ 5万4千円程度の負担 │
│ 4千円程度の負担 │ │
└──────────────┴──────────────┘
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◆ 「 良い命令、悪い命令 」 ◆
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「最近の社員は、命令してもやる気がない。そのくせ、いちいち指
示を仰ぎに来る」これはある経営者の嘆きである。
命令の仕方を尋ねると、担当の部署に行って「~を早くやれ」と命
令すると言う。1ヶ月しても何の反応もない場合があると言う。半年
以上してから結果報告があり、命令した経営者が忘れていることがあ
ると言う。その経営者は、「もう命令することに疲れました」と少々
投げやりになっていた。
重大な命令は、必ず担当者(責任者)と期限を明確にすべきである。
組織の命令系統にもよるが、責任者を明確にして命令しないと、実行
の経過を報告する担当者がいないことになる。統括する者がいないか
ら、命令者に細かい指示を仰ぐことになる。
二番目の期限を明示することは絶対である。期限のない仕事は、後
回しになるか、何もせずに放置されるかである。「今日の3時までに」
「今週の金曜日までに」「今月の20日までに」などと表現し、「2,
3週間で」「なるべく早めに」「暇な時間を見つけて」などという曖
昧な表現は避けるべきである。
命令・実行・報告は一体である。実行や結果報告の首尾は、命令の
良否によると言える。経営者は、命令を受ける部下の立場を理解し、
命令の基本技法を一度正確に学ぶ必要があろう。