■■ Weekly Fax News 273 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 15年度消費税改正 ― 新規課税の個人事業130万件 」
(2)「 守、 破、 離 」
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◆「15年度消費税改正 ― 新規課税の個人事業130万件 」◆
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平成15年度税制改正による「消費税の改正」で影響を受ける納税
義務者数が明らかになった。
これは、財務省が国会に提出した資料で明らかになったもので、そ
れによると、(1)消費税の免税点が基準期間の課税売上高3,00
0万円以下から1,000万円以下に引下げられることにより増加す
る個人事業者数は130万件(2)簡易課税制度の適用上限が課税売
上高2億円以下から5,000万円以下に引下げられることにより、
本則課税となる事業者数は約50万件 ― とされている。
このデータが示すように15年度改正は、かなりの影響が出ること
がうかがえる。免税点の改正は、個人事業者の場合、平成15年分の
課税売上高が1,000万円超かどうかで適用の判断をすることにな
る。また、簡易課税の改正は、法人の場合、平成15年3月末決算の
課税売上高が5,000万円超であるかどうかで適用を判断する。
さらに、15年度改正で影響の範囲が全体に及ぶのが税込金額表示
の義務化である。この改正は、平成16年4月1日から適用されるか
ら、コンピュータシステムの変更等の準備期間は後1年である。この
改正は、将来の消費税率引上げや複数税率の導入をにらんで行ったも
のであると言われている。
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◆ 「 守、 破、 離 」 ◆
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剣術、茶道、能などにおいて 「守(しゅ)、破(は)、離(り)」
という言葉が使われる。
師の言う通り習って技芸などを身に付けることが守であり、やがて
その型を破り、独自の道を目指すのが離である。
例えば、接客マニュアルを作成して指導すると、人によって向上度
が全く違うことに気づく。第1段階では、マニュアル通りに仕事をし
て短期で習得する人と、マニュアルを頭から軽視して自分勝手な進め
方をする人とに別れる。次の段階に進めるのは、前者のみである。
第2段階では、お辞儀や言葉の言い回しに工夫を加えて気持ちを込
めた接客を始める人と、型通り長期にわたって続ける人とに別れる。
向上を続ける人は前者であり、守から破への段階に移ったことになる。
第3段階では、効率運営という自己都合から脱却し、お客様側に立
ち、マニュアルは単に道具として利用する人と、マニュアルに工夫を
加えつつも、機転を利かすことを怠って自己都合を押付ける人とに別
れる。破から離に進めるのは前者のみである。
車の運転技能などに見られるように、守のうちは大きな問題になら
ないが、破の段階に移る際には、間違った工夫により初歩者以上の失
敗をするものである。各段階を完璧に習得しながら進むことが大事だ。