■■ Weekly Fax News 280 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 芸能界“大御所”― 相次いで脱税摘発 」
(2)「 パートを平等に扱う 」
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◆ 「 芸能界“大御所”― 相次いで脱税摘発 」 ◆
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芸能界“大御所”の脱税事件がこのほど、相次いで明るみに出た。
今回、判明したのは「歌手北島三郎さんとその事務所の所得隠し」
と「日本舞踊西川流家元の西川右近家の所得隠し」。
北島さんの申告漏れは、北島さんと芸能プロダクション「大野商事」
(東京都八王子市)、関連会社「三雅」(神奈川県川崎市)が対象。
北島さんは、個人所得の申告について、ステージ衣装などの経費を水
増ししていたこと、大野商事は、北島さん夫妻が代表取締役等を務め
ているが、正規の出演料とは別に受け取っていたリベートを別口座で
管理するなどして、申告から除外していたこと、また、「三雅」は、
北島さんの長男が代表取締役をしているが、後援会に販売したチケッ
トの手数料収入を申告から除外していたこと等がそれぞれ、指摘され
た模様だ。申告漏れ総額は、7年間で約4億円にのぼり、重加算税を
含め所得税約2億円が追徴されたようだ。
一方、西川右近家(名古屋市千種区)の申告漏れは、舞台のチケッ
ト代金や名取資格の謝礼金などの現金収入の一部を除外していたもの
である。申告漏れ所得金額は6年間で約1億6千万円にのぼり、その
うちの1億3千万円が悪質な所得に認定され、所得税約8千万円の追
徴課税を受けた。
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◆ 「 パートを平等に扱う 」 ◆
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ある花屋で実際にあった話である。この花屋、スーパーの中に出店
するに当たり、主婦のパートを4人雇った。年齢や経験に関係なく同
じ時給にした。待遇に差をつけると、人間関係がおかしくなると考え
たからである。皆、張り切って入職した。
ところが、1ヶ月を過ぎたころから、パートの表情や言葉遣いに和
やかさが失われた。陰でお互いに悪口を言うようになった。「なぜ、
あの人が経験5年の私と同じ時給なの」「花の名前から水揚げのやり
方まで私が教えているのに、なぜ同じ時給なの」など。原因は、お互
いに接客能力・商品知識・労働意欲などが分かってきたからである。
結局、能力の高いパート2人が早々と辞めてしまい、補充しても能力
の高いパートは定着しなかった。経営者は、「平等に扱っているし、
簡単な仕事なのに何の不満があるのだろう」と悩んでいた。
以上は、ビジネスにおける平等感覚の誤解による失敗例である。又
はパート能力に対する認識不足かもしれない。正社員と同様、経験・
年齢・知識・労働意欲などによって、職務能力に高低がある。能力に
より待遇に差があることが、むしろ平等であろう。
パートの戦力化ということが叫ばれているが、有能なパートを定着
させるためには、職務能力を反映した待遇が必要である。