■■ Weekly Fax News 298 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 役員と自社間の取引 ― みなし譲渡に注意 」
(2)「 お茶健康法と茶舗 」
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◆ 「 役員と自社間の取引 ― みなし譲渡に注意 」 ◆
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会社の役員等が自社に資産等を移す場合に注意しなければならない
税務上の取扱いに「みなし譲渡」の規定がある。
みなし譲渡とは、所得税法第59条に設けられている規定で、譲渡
所得の基因となる資産の移転が「無償」又は「著しく低い価額」で行
われた場合には、「時価」で譲渡があったものとみなし、個人(役員
等)の譲渡所得を計算するとした取扱いである。また、ここで言う「
著しく低い価額」については、所得税法施行令第169条に条文があ
り、「時価の2分の1未満であるかどうかで判断する」と定められて
いる。そこで、「時価」についての規定が気になるところだが、所得
税法には、時価について特に規定していない。「時価」はまさに客観
的な第三者取引によって決まると見ているわけだ。ただ、「取引相場
のない株式」の低額譲渡における時価評価の算定については、「法人
税額相当額を控除せずに算定する」などの制限が設けられてている。
それでは、個人が2分の1を超えた価額で法人に資産を譲渡した場
合には、どうなるか、これは当然、通常の譲渡となり、譲渡損が発生
すれば、他の所得と損益通算ができる。
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◆ 「 お茶健康法と茶舗 」 ◆
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緑茶を使った健康飲料が盛んになっている。大飲料会社の業績拡大
に貢献するほどである。しかし、お茶販売店(茶舗)の景気がよくな
ったと言う話はあまり聞かない。中国(宋国)に2度留学し、飲茶に
よる健康法を薦めた宋西禅師(1141~1215)は、『喫茶養生
記』の中で、次のように言う。「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術な
り。山谷之を生ずれば其の地神霊なり。人倫之を採れば其の人長命な
り」(訳:古田紹鉄氏)。現代では、緑茶にカフェインやビタミンC
があって、利尿効果、壊血病予防効果やガン予防効果などがあること
が分かっている。効果は宋西禅師の言うとおりで、お茶健康法に関す
る本も目立つようになった。
健康ブームに乗って、加工食品・健康食品・木炭製品などが盛んに
売り出されるが、原料を供給している生産者や素材の販売店は恩恵が
少ないようだ。理論で言うと、付加価値生産性の効率が低いというこ
とだ。
お茶販売店の中に、和風喫茶や和食店を兼営する店が増えている。
ギャラリーを設けて陶器・写真・絵画などの展覧会をしたり、琴・尺
八・ギターなどの演奏会をしたりする店もある。このような店舗に、
顧客は肉体面の健康よりも精神面の健康を求めて来店する。茶舗の付
加価値増強には、「憩い」という精神面のサービスも必要だ。