■■ Weekly Fax News 304 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 15年分年末調整 ― その注意事項 」
(2)「 コンサルタントの言葉 」
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◆ 「 15年分年末調整 ― その注意事項 」 ◆
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平成15年分の年末調整は、昨年と同様で特に改正点はないが、年
末調整を行うに当たっての注意事項をまとめてみた。
(1)平成15年度税制改正で、「配偶者特別控除のうち配偶者が
控除対象配偶者に該当する場合に適用される部分(配偶者控除と重複
して控除される部分)について、平成16年分以後の所得税から適用
されない」という改正が行われているが、16年分からであるため、
本年分(15年分)は、従前どおり控除の適用が受けられる。つまり、
合計所得金額が1,000万円未満の所得者と生計を一にする配偶者
の所得が76万円未満(所得が給与所得のみである場合には、給与の
年収が141万円未満)であれば、その配偶者の所得に応じて配偶者
特別控除(最高38万円)を、所得者本人の所得金額から今年も控除
することができる。
(2)控除対象配偶者や扶養親族が本年の中途で死亡した場合でも、
本年分については配偶者特別控除や扶養控除などの控除は受けられる。
(3)平成11年以降の各年分の所得税について、年税額の20%
(25万円が限度)を税額控除する定率減税が行われている。これは、
本年分についても実施される。
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◆ 「 コンサルタントの言葉 」 ◆
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簡易の立地調査を実施して、「採算の取れる見込みは80%でしょ
う」と言うと、大抵の事業者が安心して決断する。ところが、「採算
割れの可能性が20%あります」と言うと、心配そうな表情をして躊
躇する。
医者の場合も、「手術の成功確率は80%です」と言うと大抵の人
は応ずるが、「手術に失敗する確率が20%あります」と言うと、多
くの人が迷うそうである。
コンサルタントは経営者を励ましたり、時機を据えた経営決断を促
したりすることが主業務と思う。有能な経営者の基準を、「自信を持
ってすばやい決断が下せること」と考えるならば、経営者を指導する
コンサルタントの職務は、自信のある決断を促進することにあると言
える。
経営者が新規企画の診断や評価を求めてきたときは、結論として成
功する可能性を明確に言うようにしている。この時点で、失敗する確
率には触れない。どんな良い企画も最初からケチをつけると、経営者
がやる気や夢を失う。問題のある企画は、成功の確率を低く言えば済
むことである。
経営者が明るい顔で質問するように心掛けている。経営者から、
「先生、失敗する確率は」と心配そうな顔で質問されるより、「先生、
この企画の成功確率はどうですか」と意欲的な取り組み姿勢を望むか
らである。