■■ Weekly Fax News 310 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 総額表示制度 ― 端数処理に経過措置 」
(2)「 外食の興亡 」
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◆「 総額表示制度 ― 端数処理に経過措置 」 ◆
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4月1日から消費税の総額表示制度がスタートするが、いま小売業
界等が頭を痛めているのが消費税額の端数処理の問題だ。
例えば、一個50円の品物を販売したケースである。総額表示にし
た場合、52円50銭では販売できないから、52円で販売すると端
数の50銭は、小売業者が負担しなければならない。この方式にする
と、スーパーなどの大型店では、その端数金額が膨大になり、経営圧
迫の要因になるとされている。しかし、逆に53円で販売すれば、消
費者の負担が増し、便乗値上げの非難をこうむりかねないからだ。そ
れに、総額表示にするには、これまでの税抜き価格になっていたレジ
システムを変更しなければならないという問題もある。
そこで、改正消費税法では、これまで認めていた端数切捨ての納付
の特例(消費税法施行規則第22条第1項)を平成16年3月31日
で廃止するのに伴い、このような小売業者のために経過措置を設けて
いる。それが経過措置3「総額表示義務の対象となる取引(対消費者
取引)で、総額表示は行っているもののレジシステム等が変更に間に
合わない等やむを得ない事情がある場合」である。要するに店頭表示
さえきちんとしていれば、平成19年3月31日までは、端数切捨て
の特例規定が適用できるというものだ。
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◆ 「 外食の興亡 」 ◆
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新聞の報道によると、外食産業の2003年全店売上高が前年比0.
3%減少したそうだ。10年前から集計を始めて以来、前年比割れは
初めてのことだと言う。
街角やロードサイドに必ずある外食は今では当たり前の風景である
が、30年ほど年月を戻れば、ほとんどなかった店舗業態である。歴
史的成長を遂げたと言える。
外食習慣はいつ頃から隆盛になったのだろうか。歴史書によると、
江戸の中期までは、武士階級が外食をすることはほとんどなかったと
言う。外食の際は必ず弁当を持参し、仲間と居酒屋で酒を飲むという
こともなかったと言う。当時は庶民を顧客にする「ボテ振り」という
豆腐・米・魚・野菜などの行商が盛んだった。この風景は、昭和30
年代までは珍しいものではなかった。
いつしか多くの国民が、「弁当を持って勤めに行く」という習慣を
捨てた。同時に、外食する習慣が急拡大した。昼食などは外でとると
か、弁当等を購入してとることが当たり前になった。当然、外食店が
急増した。
一方で家庭料理を求める声も大きくなった。弁当持参組も復活しつ
つある。家庭における食事時間が子供の躾の機会となり、外食を控え
る家庭も増えているそうだ。
数年先の人口減少により、外食産業の規模は縮小の道を辿り始める
かもしれない。