■■ Weekly Fax News 318-319 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 総額表示実施の経過措置 ― 国税庁が通達 」
(2)「 味方を作る 」
(3) 「 債務過大の相続 ― 『 相続放棄 』は家裁に申述 」
(4) 「 自立心のある相談 」
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◆ 「 総額表示実施の経過措置 ― 国税庁が通達 」 ◆
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4月1日からの消費税における「総額表示方式の実施」を控えて、
国税庁はこのほど、法令解釈通達「事業者が消費者に対して価格を表
示する場合の取扱い及び課税標準に対する消費税額の計算に関する経
過措置の取扱い」(課消1-8他)を発遣した。
この通達は、総額表示方式の実施を定めた法律が平成16年4月1
日から実施されることから、その暫定的な取扱いと総額表示が義務付
けられたことに伴う消費税法施行規則の一部廃止と新設による取扱い
を定めたものである。同通達によると、「総額表示の具体的な表示方
法」について、「表示された価格が税込価格であれば、『税込価格で
ある』旨の表示は必要なく、また、税込価格に併せて『税抜価格』又
は『消費税額等』が表示されていても差し支えない」としている。
また、表示の際の端数処理については、「1円未満の端数が生じる
ときは、当該端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれかの方法に
より処理しても差し支えなく、また、当該端数処理を行わず、円未満
の端数を示す場合であっても、税込価格が表示されていれば、総額表
示の義務付けに違反するものではないことに留意する」としている。
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◆ 「 味方を作る 」 ◆
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人が世を渡っていく上において、頼りになるのは味方の存在である。
目上の人であれば恩師・上司・先輩などであるが、日常の中では家族
・友人・隣人・同僚などが中心となるであろう。
お互いに持ちつ持たれつであるが、これらの味方無くしては生活や
仕事が前進しないものである。独立心は大事であるが、自分に協力し
てくれる味方がいることは、仕事はもちろん、精神的にも安定する。
知人のAさんは、長年に亘って同業組合や商店街の幹部役員である。
温厚な性格であまり目立たない人であるが、何かのリーダーを決める
ときにはトップまたは仲間から必ず推薦される。Aさんが会議で提案
したこと、或いはAさんが紹介した人物などは、仲間から大抵受け入
れられる。
Aさんの特徴は、ハガキを出すこと、こまめに連絡をすること、物
をあげることが好きなことなどである。例えば、日頃顔を合わせてい
る仲間でも祝い言葉などのハガキを書く、会議で決まった重要なこと
は欠席者に電話で説明する、折々役員仲間に郷土のおみやげを届ける
などである。
取引の場や役員会の席で顔を合わすと、Aさんと仲間の会話は和や
かな感謝のあいさつで始まる。これらの仲間は、心からAさんは自分
の味方だと思っているのである。
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◆ 「 債務過大の相続 ― 『 相続放棄 』は家裁に申述 」 ◆
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相続にはいろいろな方法があるが、そのひとつの相続放棄にスポッ
トをあててみた。
通常、相続があった場合は、相続人が被相続人の権利義務を無条件、
無期限に承継する方式で、「単純承認」と呼ばれている。この方式で
は、相続した財産でもって相続債務を弁済できなければ、自分の財産
で弁済する責任を負うことになる。したがって、相続財産よりも相続
債務が多い場合には、「単純承認」をすると、大変なことになるわけ
だが。
そこで、こうしたケースの相続では、「単純承認」以外の相続方式
を選択できる道が残されている。民法では、「単純承認」のほかに、
相続人が相続を一定の条件付きで承認する「限定承認」、あるいは相
続をまったく放棄する「相続の放棄」を選択することも認めている。
前述の「相続財産よりも相続債務の方が多い場合」には、相続放棄
すれば債務を抱え込まなくて済むことになるわけだ。
この相続放棄をするには、相続開始のあったことを知った時から3
ヶ月以内に家庭裁判所に申述する手続が必要となる。相続の放棄をす
れば、「相続人」ではなかったものとみなされ、債務者から被相続人
の債務についてその返済を迫られることがなくなる。
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◆ 「 自立心のある相談 」 ◆
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「天は自ら助くる者を助く」と言う。また「依存心がすべての迷い
の根源である」とも言う。
各地で、各種の公的支援センターが改組・設立されて、その利用が
活発である。利用者が多いこと自体は喜ばしいことであるが、ふと心
配になることもある。
ある起業相談会でのこと、着席していきなり初対面の筆者に「私に
適した商売は何でしょうか」と質問する人がいた。易占でもしない限
り無理と思ったが、これまでの職歴や特技などを尋ねて相談を開始し
た。
公的融資の相談に来る経営者の一部にも、時々面食らうことがある。
借入希望額はいくらですかと問うと、「経理は家内に任せていますの
で分かりません」と答えたり、では決算書を見せてくださいと言えば、
「持って来ませんでした」などと答えたりする。
他人に相談する場合は、その利用の仕方や準備によって成果が全く
変わるものである。出来るだけ多くの情報を用意して臨むことはもち
ろん、自分の考えや見通しなどを整理して行くことが有効である。
問題を全て相手に考えてもらおうという姿勢は怠慢であり、結局援
助策を上手に使えないのであろう。特に、起業相談などは本人の描く
夢を援助するものであり、自立心を持って臨むことが夢実現の近道で
ある。