■■ Weekly Fax News 323,324 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
（１）「 時を費やすコスト 」
（２）「 あこがれは専業主婦 」
（３）「 ゴルフ会員権の譲渡損 ― 損益通算禁止の懸念 」
（４）「 変ずれば即ち化す 」
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◆ 「 時を費やすコスト 」 ◆
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Ｘ社を訪問するとき電車を利用しているが、路線が２種類ある。Ａ
線は、Ｂ線と比較して料金は安いが、より時間が掛かる。Ｂ線は、Ａ
線と比較して時間は掛からないが、料金がやや高い。結局、時間を優
先していつもＢ線を利用している。
さて、合理的な経営活動の基準は金銭だけではない。もう一つ大き
な要素として、時を費やすコストがある。例えば、ファッション衣料
や機械等の商品開発である。
これらの商品を安い費用で開発しても、何年も掛かれば商品価値は
低い。費用が高く掛かっても、短期集中で完成した方が有利かもしれ
ない。年々、技術や流行のサイクルが短くなって、この傾向が強まっ
ている。
費用を惜しむのか、時を惜しむのか、相対的な価値観である。しか
し、一般に経営活動においては（日常生活も同じ傾向）、時を惜しむ
人がより成功するようだ。喩えて言うならば、４㎞先まで金を使わず
１時間掛けて歩くよりも、費用を掛けて車を使い５分で行く方が得策
な場合が多い。
交通機関・通信手段・機械・工具類・エネルギー開発等は、全てこ
のような時間短縮の追求によって生まれたものである。製造・販売・
サービス活動等においても、時を費やすことに無頓着の者は、世の中
の流れに乗れず、失敗者になるおそれがある。
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◆ 「 あこがれは専業主婦 」 ◆
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少子高齢化、晩婚化、未婚化というような言葉が目立つ社会になっ
た。
大体の意味はわかるが、誤解されていることも多いようだ。例えば、
少子化。結婚しても子供がいないか、一人しか産まない夫婦が増えた
と考えがちだが、実は原因は結婚しない人が増えていることにある。
ある典型的な女性の言い分は、親の下で中流の生活をしているが、
並みの男性と結婚すれば生活レベルが落ちると言うものだ。しかも結
婚後、子育てと仕事の両立はしたくないと言う。男性と同様、女性で
天職を持っている人は一部である。結婚したら仕事は止め、専業主婦
になれるような相手を探す。働く女性の公的支援に力を入れても、少
子化を止めることは期待出来ない。
以上の結果、低所得の男性は、結婚が難しくなる。専業主婦では、
独身時代のような中流の生活が出来ないからである。
さらに大きな誤解がある。未婚化により、独身者の一人暮らしが増
えていると思いがちだが、独身者は親と同居している。例えば、２０
代ＯＬの８割が親と同居している。一人暮らし用のアパートを建てて
も、入居者が思うように集まらない。同居であれば、食費や住居費が
お小遣いになるからである。
現像実態を正確に知らないと、間違った商品開発や公共政策等をす
るかもしれない。
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◆ 「 ゴルフ会員権の譲渡損 ― 損益通算禁止の懸念 」 ◆
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平成１６年度税制改正で「不動産の譲渡損失は、他の所得の損益通
算を認めず、翌年以降の繰越控除も認めず、この改正を平成１６年１
月以後の所得税、平成１７年度以後の個人住民税から適用する」とし
た厳しい改正が行われたことから、１７年度以降の改正で「ゴルフ会
員権の譲渡損失」についても、「損益通算と繰越控除を認めない改正
が行われるのではないか」と噂されている。
今年度の改正は、「土地、建物等の長期譲渡所得の金額又は短期譲
渡所得の金額については、土地、建物等の譲渡による所得以外の所得
との通算及び翌年以降の繰越を認めない。（注）この改正は、平成１
６年分以後の所得税及び平成１７年分以後の個人住民税について適用
する」とされたものである。
１６年度改正の結果、「居住用以外の土地、建物等の譲渡損につい
ては、他の土地、建物等の譲渡益と相殺できても、事業所得等他の所
得との損益通算、翌年以降への繰越もできなくなった。このため、バ
ブルの頃に土地等を取得していて、多額の含み損を今後の譲渡益で消
そうとしていた人にとっては、大きな痛手となった」と見られている。
ゴルフ会員権についても損益通算が禁止されれば、同様に暴落してい
る会員権の損失を解消する道が塞がれることになるわけだ。
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◆ 「 変ずれば即ち化す 」 ◆
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易に、「窮変通」 という言葉がある。窮すれば人間は変わる、変
われば解決の道が通じるという意味だ。しかし、窮するというのは実
は大変深刻な問題で、この状況になる前に変われないものだろうか。
知人のＡ氏は、２０年間骨董品や書籍等のリサイクルショップを経
営していた。しかし、ここ数年大型チェーン店の進出等により、売上
の低迷だけでなく、仕入（お客からの買取）も思うようにいかなくな
った。
最初は悶々と考えていたが、月に数店の見学をしてみると、時流の
変化を実感するようになった。質店が兼営しているディスカウントシ
ヨップ店が繁盛していたり、バック・時計等の中古ブランド品を専門
に扱う店に大勢のお客が押しかけていたりしていた。
中国古典『中庸』に、「動けば即ち変ず、変われば即ち化す」とい
う言葉がある。お客は今どんな店を選ぶのか、Ａ氏は行動によって大
きなヒントを得た。
仕入に関して、これまではお客が売りに来るのを待っていたが、お
客の目的や心情を深く考えたことがなかった。結局Ａ氏は、質店を兼
ねることにした。多くの客が、取り敢えず品物を売ることなく金を工
面できるようになった。表題は、行動により自分が納得して考えれば、
生まれ変わったような人になれるという意味であろう。
