■■ Weekly Fax News 328,329 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 ネットで乗用車販売 ― 譲渡所得税 」
(2)「 企業モラルの改善 」
(3)「 白書に見る事業承継 ― 適齢年齢は30歳代後半から 」
(4)「 時間帯と営業成果 」
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◆ 「 ネットで乗用車販売 ― 譲渡所得税 」 ◆
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ネット・オークションの発達で、自動車をネットで売る人が増えて
いるが、自動車の譲渡は、通常、非課税だが豪華な高級車等は「生活
に必要のない資産」として譲渡所得が課税になる場合があることに留
意しておく必要がある。
税務では、次の資産の譲渡による所得は非課税とされている。(1)
生活用動産の譲渡による所得=家具、什器、衣服、通勤用の自動車な
ど生活に通常必要な動産による所得(ただし、貴金属や貴石、書画、
骨董などで、1個又は1組の価額が30万円を超えるものの譲渡によ
る所得は課税)(2)強制換価手続により資産が競売されたことによ
る所得(3)国や地方公共団体等に対して資産を寄附したことによる
所得(4)資産を相続税の物納に充てた場合の所得。
これに対して、生活動産に該当しない車の場合は、譲渡所得が課税
対象になる。譲渡損失が生じた場合には、その他の所得(例えば、給
与所得)と損益通算することができる。譲渡所得の計算は、総収入か
ら取得費と譲渡費用、特別控除(50万円)を差し引いて求める。5
年超保有のものは「長期譲渡」となり、所得金額が2分の1になる。
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◆ 「 企業モラルの改善 」 ◆
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欠陥車問題は、日本においても昭和40年代に大きな社会問題にな
ったが、平成7年の製造物責任法によってやや落ち着いたかに見えた。
しかし、最近の某国内メーカーの対応意識を知ると、全く改善が進ん
でいないのではないかと危惧するのである。
企業モラルは、国民のモラルレベルに整合(同レベルということ)
するのではなかろうか。筆者は通勤に駅を利用しているが、朝晩の自
転車には大変迷惑している。自転車と衝突しそうになったり、不法駐
輪で通路を通過出来なくなったりするのである。
大抵の駅周辺の道両脇には、数百台の自転車が放置されているので
ある。「いけないと思うが、駅に駐輪場がないのが悪い」「皆が置く
から自分も置いてよい」等、まさにわかっているが止められないので
ある。
恐らく、某メーカーの経営者や不法駐輪をする人の大多数は、日常
生活において常識人であろう。問題は利害が絡んだり、時間に追われ
たりすると、ついモラルを無視してしまうのである。先人が人間観察
法として、「窮して、その為さざる所を見る」と言ったのは、このこ
とを言うのである。
道徳教育とは本当は社会生活の根本的素養ではなかろうか。学校教
育や社員教育において、モラルレベルのアップが最優先課題である。
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◆ 「 白書に見る事業承継 ― 適齢年齢は30歳代後半から 」 ◆
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中小企業庁がこのほど、「2004年版中小企業白書」を公表した
が、その中から「高齢社会と中小企業」(中小企業の事業承継)のポ
イントをまとめてみた。
ポイントの第1点は、「自営業主においては年々、高齢化が進んで
きている。被雇用者と比較すると10年以上高くなっている」と指摘
していることだ。白書の調査によると、2002年における自営業主
の年齢構成は、70歳以上(17.5%)、60歳代(25.8%)、
50歳代(27.3%)、40歳代(16.0%)、30歳代(10.
2%)、20歳代(3.3%)となっている。これに対して、同年に
おける被雇用者の年齢構成は、70歳代以上(1.7%)、60歳代
(8.0%)、50歳代(22.1%)、40歳代(21.0%)、
30歳代(22.6%)、20歳代(24.6%)である。
そのほか、白書によるアンケート調査等で次のような事項が指摘さ
れている。○承継後、従業員との関係やリーダーシップの発揮に苦労
する経営者が多い○事業承継したばかりの経営者は、そうでない経営
者よりも、企業が今まで行っていなかった取組を開始する割合が高い
○先代経営者の子供の場合、30歳代後半から40歳代で承継してい
る経営者の過半数は、適当な年齢で承継できたと答えている。
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◆ 「 時間帯と営業成果 」 ◆
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最近、サービスの売り込み営業で次のような経験をした。15社を
各2回訪問した結果、成約に至った3社に面白い共通点があった。
経営者(以前から面識はある)に電話を入れてから、2回とも同じ
ような曜日や時間帯の訪問した。結果、月曜か土曜の午前中に訪問し
た会社には成果があり、午後訪問した会社には成果がなかった。
「朝の1時間は夜の2時間の価値がある」とか、「1日の仕事は午
前中の使い方で決まる」とか言われるが、仕事は出だしに影響される
ものである。意識するかどうかに関係なく、優先順位の高い仕事は早
くしようとする。曜日ならば月曜か火曜に、時間帯ならば午前中に割
り当てるかもしれない。
勝手な推測をすれば、積極的に話しを聞きたい場合は、1週間の出
発点になる月曜午前中(或いは、多くの取引先が休みになる土曜の午
前中など)の訪問でも承諾するだろう。逆に、受入に消極的であれば、
朝一番の営業訪問など承諾しないだろう。
仕事に優先順位があるように、曜日や時間帯にも優先度の差がある。
その仕事が重要であると考えた場合は、当方も優先度の高い曜日や時
間帯に予定を入れる努力をするべきであろう。また、相手方から優先
度の高い曜日や時間帯に受け入れてもらえるような工夫や努力も大事
である。