■■ Weekly Fax News 333 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 未払賞与を未払費用に ― 要件満たせばOK 」
(2)「 介護保険は人を幸せにするか 」
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◆ 「 未払賞与を未払費用に ― 要件満たせばOK 」 ◆
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景気の回復が言われているが、中小企業の中には資金繰りが苦しく、
「夏季の賞与の支払を遅らさざるを得ない」というケースもあるよう
だ。そんな場合、税法では、「未払賞与」を「未払費用」として当期
の損金に算入できる取扱いがある。例えば、8月決算法人が資金繰り
が苦しく、従業員の夏季賞与を9月に遅らせて支払うという場合であ
る。
税法では、法人が使用人に対して支給する賞与(使用人兼務役員に
対して支給する使用人分賞与を含む)は、原則として、支給した日の
属する事業年度の損金の額に算入することになっているが、支給しな
くても未払費用として通知した日の属する事業年度の損金に算入でき
る。ただし、この処理が認められるには、次の要件を満たす必要があ
る。
(1)賞与の支給を各人別に、かつ、同時期に支給を受けるすべての
使用人に対して通知していること。
(2)(1)の通知した金額をその通知したすべての使用人に対しそ
の通知した日の属する事業年度終了の日の翌日から一月以内に
支払っていること。
(3)その支給額につき(1)の通知した日の属する事業年度におい
て損金経理していること。
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◆ 「 介護保険は人を幸せにするか 」 ◆
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介護保険を利用するサービス産業の創業が盛んである。介護に支障
がある家庭にとっては、確かに便利な制度である。介護する者の過酷
な負担を考えると、老人介護の理想など言うべきでないのかもしれな
い。
介護老人を抱えた各家庭の事情は区々である。個々の家庭を批判す
るつもりは全くない。問題は、介護保険によって介護される老人の心
境である。
例えば、息子(姑)夫婦と同居している場合でも、老父母は訪問介
護を受けて息子夫婦は勤めに行ってしまう。見ず知らずの他人に下の
世話までしてもらうこともある。もちろん、共稼ぎ夫婦も無闇に会社
が休めず、訪問介護には感謝しているであろう。
介護保険によって、老人介護(特に老父母)は家庭が無理してやる
べきものではないという考え方をする人が増えた。介護保険料を払っ
ているのだから、老父母が痴呆などになったら医者に掛かるのと同様
に活用するのは当然だという発想である。
介護される老人(または近々痴呆などが心配な人)は、以上のよう
な考え方を素直に受け入れるだろうか。時々家族から手足に触れても
らったり、おやつをもらったり、懐かしい古い話を語ったりしたいの
ではなかろうか。今のような介護サービス産業が盛んになる社会を単
純には喜べない。