■■ Weekly Fax News 338 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 最低資本金は撤廃へ ― 純資産3百万円未満は配当不可 」
(2)「 礼状は交際大使 」
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◆ 「 最低資本金は撤廃へ ― 純資産3百万円未満は配当不可 」 ◆
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法制審議会・会社法(現代化関係)部会における実質改正の審議は
ほぼ終わり、これからは、別の部会で検討している特別清算規定との
調整や経過措置、罰則規定等の整備を待って、10月下旬にも正式に
「要綱案」が公表されることとなる。
ところで、産業界や経済産業省から要望の強かった事項の一つに
「最低資本金規制の撤廃」があるが、今回の改正で実現する。
もともと、株式会社には最低資本金の定めはなかったが、平成2年
の商法改正で、資本金1,000万円と決められたが、再び、最低資
本金が消滅するわけだ。
具体的には、株式会社の設立に際して出資すべき額について、下限
額の規制を設けないというもの。額面株式の規定も1株当たりの純資
産額の規制もすでに撤廃されているので、理屈からは1円の資本金で
株式会社を設立できることになる。
最低資本金規制が撤廃されることから、減少できる資本金の規制も
なくなるので、既存の会社でも、総会の特別決議などの手続を踏めば、
いくらでも資本金を減少できる。
なお、資本金の額にかかわらず、純資産額が300万円未満の場合、
剰余金の分配(現行では利益配当や中間配当など)は行えないので留
意する必要がある。
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◆ 「 礼状は交際大使 」 ◆
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「慌ててものを頼みに来る人はいるが、急いで御礼に来る人は少な
い」と言われる。世間一般の実態だと思う。
時々、大学生の我が子の友人(複数の時もある)が泊まり掛けで遊
びに来る。全員礼儀も一通り守り、これまで苦言を呈したようなこと
は一度もなかった。
人によって大きく違うのは、帰った後の対応である。すぐ電話か手
紙で御礼を言ってくる人(丁寧な場合は、その親まで言って来る)と、
全く何も言って来ない人とがいる。中には忘れた頃言って来る人もい
る(夏に泊まって、年賀状を礼状としてよこすなど)。
仕事の場でも同じような体験をする。筆者は名刺交換して親しく会
話をした人にすぐハガキを出すようにしている(手短な言葉で、会っ
た翌日か翌々日に着くように出す)。しかし、同じようなハガキや返
信をもらうのは、年に1枚か2枚である。
このハガキを出しておくと、次に会った時、必ず「この前はハガキ
をありがとう」と親しく言って頂ける。好意的に迎えられて、2回目
の面会が3回目の面会ぐらいに感じられるものだ。礼状は交際大使で
ある。
御礼は電話よりも手紙(ハガキ)で出すこと、すぐに出すというタ
イミングが重要だ。次回会った時に、「この前はどうも」と言うので
は単なる儀礼に過ぎない。