■■ Weekly Fax News 339 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 退職金優遇税制 ― 政府税調が見直し方針 」
(2)「 医療は商品ではない? 」
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◆ 「 退職金優遇税制 ― 政府税調が見直し方針 」 ◆
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政府税制調査会が退職金に関する課税制度の見直しを検討している。
退職所得は、退職により勤務先から受ける退職手当や一時恩給など
の所得で、税制上優遇されている。
退職所得金額の課税金額の計算は、<(収入金額-退職所得控除額)
×2分の1=退職所得の金額>となっている。
収入金額から控除する退職所得控除額は、勤続年数によって違って
くる。勤続年数20年以下の場合、40万円×勤続年数(80万円に
満たないときは80万円)として算出される。勤続年数20年超の部
分になると、控除額はぐっと多額になる。800万円+70万円×
(勤続年数-20年)として計算することになる。
この控除額、退職者が「障害者となったことに直接基因して退職し
た場合」は、勤続年数に応じて計算した金額にさらに100万円が加
算される。
また、退職所得金額に対する課税は、<課税退職所得金額×税率-
控除額=税額>として行われる。例えば、課税所得金額が350万円
以上900万円未満の階層に入る400万円の場合、税額は400万
円×20% ―33万円で、税額は47万円になる。政府税調では、
退職所得に対する優遇税制のうち、特に優遇されている勤続20年超
の措置を見直し、課税強化する方針で検討している。
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◆ 「 医療は商品ではない? 」 ◆
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親戚の人が大学病院に入院して手術を受けた。1週間で退院となっ
たが、その前日、困ったと家族が電話を掛けてきた。医療費がいくら
なのか、退院当日の朝でなければ分からないと言う。結局、実際の請
求額は、多めに持参した金額の2割程度であった。
販売店などの経営指導でよく言うことは、「値札の付いてないもの
は商品ではない」である。美容院や床屋のサービスなどでも、料金表
示を明確にしなければ、顧客は安心して注文が出せないものだ。
ところが、医療サービスの料金は予め知らされず、会計窓口に行っ
て初めて告げられるのである。当然、サービスの料金表も患者側には
示されない。しかも、一般に病院の支払に掛売りという慣習はないの
で、相当多めの現金を持参しなければ、安心して医療を受けられない
ということになる。
そこで、特定機能病院(大学病院の一部など)では、包括払い方式
という病気ごとに予め料金を決めておくやり方が導入された(アメリ
カで始まったが、日本の場合は入院に限るそうだ)。まだ定着しない
ようだが、医療価格の明確化としては一歩前進である。
医療サービスに商品というイメージは薄いが、医療をビジネスとし
て据えれば、出来る限り料金を予め提示することが求められるように
なるであろう。