■■ Weekly Fax News 365 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 素直な経営者 」
(2)「 待遇は誰が決めるか 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 「 素直な経営者 」 ◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
経営指導をしていて気づいたことである。経営者がやや異質のアド
バイスを受けたときの反応に、大きく分けて2通りある。
一つは「そういう考え方もあるんですね。もう一度じっくり考えて
みますよ」とアドバイスを受け入れる方向にある経営者。もう一つは、
「でもねえ、実態がちがうんですよ。理屈じゃないんです」と、アド
バイスに対する反論を考える経営者。このタイプは、「でもねえ」で
話し始める人が多い。
経営者と指導者の信頼関係にもよるが、前者の経営者のような素直
なタイプが発展成功しているようだ。信用出来る人の話は、「そうで
すか」と冷静に受け入れている。単に鵜呑みにしたほうがよいという
意味ではない。さらに考えて、アドバイスに共感できれば意思決定を
して実行すればよい。後者のタイプの経営者は、料金を払って専門家
に相談しても、結局何にも得ないで帰る人が珍しくない。経営者自身
の方針やアイデアと違うことをアドバイスされることが許せないので
あろう。
大事なことは、専門家からのアドバイスや同輩・部下からの意見な
どを一旦は素直に受け入れてみる姿勢である。努力が報われて成果を
発揮している経営者は、人からのアドバイスや意見を素直に受け入れ、
共感できることは即実行に移しているものだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 「 待遇は誰が決めるか 」 ◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
中小企業の給料や地位は本来経営者が決めるものだと思う。これは
経営理論上のことではなく、経営の現実である。
社員が10人くらいの企業では、給与規定や人事評価表などと言っ
ても、結局は経営者の評価に左右されて、規定の形式的な運営ではう
まくいかない。10人くらいまでであれば経営者が直接監督出来る規
模だから、経営者の責任で評価すればよい。当然、公平な態度で評価
することは重要である。
このように言うと、それが中小企業の欠陥だとか、経営者の気に入
った社員だけが優遇されて不公平になるといった批判がよくある。果
たして本当にそうだろうか。
むしろ、経営者の目で直接判断することが困難になったり、責任が
とれなくなったりして各種規定に依存するかのようになる場合も多い
はずである。確かに、経営者と気が合う社員が優遇されたり、経営者
の偏見によって評価されたりすることも多かろう。
しかし、経営者がでたらめな評価をして給料や地位を決めれば、直
ちに社員との信頼関係は崩れるから、経営者としては真剣に評価する
はずである。本当に不公平な評価をして待遇を決めれば、有能な社員
が去って会社は破滅するからだ。実は形式的な規定に頼らず待遇を決
めることの方が、より強い信念と責任が必要である。