■■ Weekly Fax News 369 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 ペイオフ全面解禁 ― 防御策等を総点検 」
(2)「 予測の違い 」
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◆ 「 ペイオフ全面解禁 ― 防御策等を総点検 」 ◆
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平成17年4月1日から、ペイオフが全面解禁された。ペイオフは、
金融機関の破綻に伴う預金の保護が元本1,000万円までとその利
子に限定される制度のことである。定期預金については、2002年
4月から、解禁されている。そこで、金融機関が破綻し、ペイオフと
なる場合におきる問題点や留意しておかなければいけない事項を拾い
出してみた。
(1)ペイオフ時には預金カットだけでなく、一時的に預金が引き出
せなくなる恐れがある(普通預金は1口座につき60万円まで引き出
せる)(2)同一金融機関に複数の口座を持っていても、保護の対象
となるのは、1人につき1千万円とその利息まで。そのため、金融機
関は、ペイオフに備えて、預金者の名寄せが行われている。その際、
明らかに名義貸しとみられる預金は、別名義にカウントされないので
注意しなければならない(3)保護対象の1千万円をカウントする場
合、借入金があれば、預金と相殺できる。住宅ローン等を組んでいる
場合には、契約書に「相殺条項」が入っているか、チェックしておく
必要がある(4)最近、創設された「決済用預金」(決済に使え、い
つでも引き出せるが、利子が付かない預金)は、全額保護される(5)
保護される仕組みがある「個人向け国債」などに乗り換える防衛策も
ある。
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◆ 「 予測の違い 」 ◆
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商売人は経営予測をしながら働いているものである。しかし、この
予測が多々外れる。そもそも世間一般の予測(見当とも言う)という
ものが、勘違いの場合がよくある。例えば、「夏になると溺死事故が
多くなる」という予測も実は勘違いで、最近は夏よりも冬の溺死のほ
うがずっと多くなっている。確かに、1990年までは冬よりも夏の
溺死が多かった。ところが1991年には夏が864人、冬が939
人となり、この傾向は最近ますます顕著になっている。高齢者が増え
て、冬になると風呂場で溺死する人が多くなったことが大きな原因で
ある。
販売成績と天候との関係なども予測の勘違いが多い。「天気が良け
れば人出が多く、客が増えて売上が良い」というような予測も意外に
外れることが多い。
知人が駅前で経営するブランド品のリサイクルショップは、四季を
通じて快晴日は売上が余り振るわない。一番売上が良いのは、曇りの
日か小雨の日である。事情を知らない人は、「今日は快晴で人出が多
いから繁盛ね」と声を掛けるが的はずれのようだ。
経営の予測は、個人的な感覚や一般常識だけで判断すると間違うこ
とが多い。正確な予測をするためには、販売や製造の現場に足を運ん
で観察するとか、統計データを調べて確認するとかの心掛けが必要で
ある。