■■ Weekly Fax News 373 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 仕事人の長期休暇 」
(2)「 他人のしないことをする 」
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◆ 「 仕事人の長期休暇 」 ◆
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長年、あこがれている社会制度がある。
勤め人の長期休暇というと、通常は1週間か長くて2週間程度であ
る。ところが、欧米の大学等では、教員に何年か毎に1年間の休暇
(自由な研究活動を目的とするらしいが)を与える制度があるそうだ。
他国においても似たような制度を時々耳にする。
現状の日本においては、普通の勤め人が1年間の長期休暇を取るこ
とは、制度的経済的に困難である。このような制度が必要と考えてる
人が少ないためか、所詮無理な要求と諦めているかのどちらかであろ
う。
確かに、「定年後に十分な時間があるから必要ない」という考え方
もある。しかし、働き盛りのときこそ、後半の人生をじっくり考える
ことが有効なのではなかろうか。40歳か50歳くらいのとき1年間、
「転職や創業を計画する」「資格取得の勉強をする」「ボランティア
活動に打ち込む」「好きな読書やスポーツに熱中する」「健康増進に
取り組む」「外国で生活してみる」等、1年間の長期休暇は人生の一
大転機になる可能性が十分にある。
経済的裏付けとしては、一部有給休暇、退職金の一部前払い、年金
の先取り(例えば、20年以上保険料を掛けた人には1年間の支給を
する)、国家が特別な融資をする(将来の相続時に清算する)等が考
えられる。
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◆ 「 他人のしないことをする 」 ◆
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商売や芸能等の成功法則に、「他人のしないことをする」というも
のがある。この法則は、時を超えて現代社会のように変化の速い時代
にこそ通用するものである。
杉田玄白の研究仲間である前野良沢は、次のような躾けを受けなが
ら育ったという。
「人というものは、世の中からすたれてしまうと思われそうな芸能
を習っておいて、のちのちまでも絶えないようにし、現在は人が捨て
てかえりみなくなったようなことをこそ、これを為して、世の中のた
めに、そのことが残るようにしなければならない」(杉田玄白著『蘭
学事始』片桐一男訳)
確かに、時流に乗った商売には成長性と安心感があるが、廃れるの
も速いものである。長短や規模の差はあるが、商品や文化等には必ず
ライフサイクル(導入期?成長期?成熟期?衰退期?)がある。逆に、
衰退したものが息を吹き返すことも珍しくない。
たとえば、食器や什器類等の素材は木・竹に代わってプラスティッ
ク等になったが、近年は再び木・竹を使ったものが尊ばれるようにな
っている。また、一時は古臭いと見放されたような歴史的街並みや地
域の産物を掘り起こし、観光客を大いに集めている町も見られる。要
は、辛抱強く時流から外れたものを持ち堪えた人、他人が注目する前
に取り組んだ人が成功しているようだ。