■■ Weekly Fax News 377 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 赤字対策 ― 社長借入金の返済 」
(2)「 人を作っています 」
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◆ 「 赤字対策 ― 社長借入金の返済 」 ◆
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赤字で苦しんでいる会社において、基本的な赤字対策として「オー
ナー社長と会社の取引」を見直す必要があるとされている。
というのも、赤字会社では、社長が個人資産をつぎこんでいるケー
スが多いが、この社長と会社の取引を見直すことで、赤字がかなり改
善できる場合があると言われているからだ。例えば、赤字会社の場合、
社長からの借入金は、通常ほとんど返済されず、放置されているケー
スが多い。しかも、その一方で、社長は、社長としての高額な役員報
酬をとっている。これでは、赤字は改善されない。会社が赤字なら、
役員報酬を減額するのが手っ取り早い赤字対策になるが、半永久的に
社長からの借入金を返済できない見通しであるならば、社長の了承を
得て、「社長に役員報酬を支給せず、役員報酬にかかる所得税、住民
税を除いた“手取額”を社長借入金の返済として行う」とすれば、会
社は役員報酬分の人件費が減少し、赤字が減るとともに源泉所得税の
天引き納付も無くなるので資金繰りも楽になる。また、社長は、これ
まで支払っていた所得税、住民税の負担がなくなり、生活は手取り分
が返済されてくるので、変化なくできるというわけである。さらに、
これに加えて、所得税、住民税が課税されない年間78万円までは、
役員報酬を支払うという方法を採ることもできる。
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◆ 「 人を作っています 」 ◆
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経営の神様松下幸之助氏は、「私の会社は人を作っています」と言
い続けたそうだ。
知人のA社長(加工食品の製造卸)は、家族経営から会社を成長さ
せ、今ではパートを中心に80人程度の規模になっている。かつてA
社長の口癖は、「パートは仕事をやっと覚えた頃に辞めてしまう。教
える時間に給料を払うのが無駄だ。教育時間は必要最小限にしろ」と
いうものであった。
ところがある時、高校生の職場体験を受け入れた後の感想発表で大
きなショックを受けたことがきっかけとなって考え方を改めることに
なった。特に、「友達に教える暇があったら一つ余計に作れと言われ
てやる気を失った」「ただ物を作るだけの仕事なんて、もし入社して
も3日で辞めるかもしれない」「皆よく働くけれど、余裕のない会社
だと思った」というような発言に驚いた。
翌年の職場体験は恥ずかしくて受け入れることが出来なかったが、
会社の運営理念に「人づくり重視」を加え、時間と費用を惜しみなく
注いだ。以後、再び職場体験を受け入れているが、その事後感想は最
初の時と全く違ったものになっている。
「社長さんが校長先生のようで、社員さんが担任みたいだ」という
ような感想が増えた。今、「会社の基盤は人づくりが最重要ですね」
が、A社長の口癖になっている。