■■ Weekly Fax News 375 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 年金だより ― 学生納付特例制度の対象校が拡大 」
(2)「 平均を採る危うさ 」
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◆ 「 年金だより ― 学生納付特例制度の対象校が拡大 」 ◆
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日本国内に住むすべての人は、20歳になったときから国民年金の
被保険者となり、保険料の納付が義務づけられますが、学生について
は、在学中の保険料納付を猶予する学生納付特例制度が設けられてい
ます。障害基礎年金や遺族基礎年金を受けるために必要な受給資格期
間に合算されますので、万が一のとき安心です。また、承認された期
間は老齢基礎年金の受給資格期間(最低25年以上)に算入されます。
この期間は、10年以内であれば保険料をさかのぼって納めること
(追納)ができますので、満額の老齢基礎年金を受けるためにも追納
しましょう。
なお、追納するときには、2年を過ぎたときから経過した期間に応
じて当時の保険料に加算がつきます。
○対象となる学生
大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校及び各
種学校等の学生(夜間・定時制課程や通信制課程の者も含む)であっ
て、本人の所得の目安が年間141万円以下の者です。
※各種学校については、これまで一部の各種学校に限られていました
が、平成17年4月からすべての各種学校(修業年限が1年以上の課
程に在学している者に限ります)が対象となるよう改正されました。
○申請手続きが必要
学生納付特例制度を利用するには、毎年度申請をして承認を受ける
必要があります。国民年金保険料学生納付特例申請書に必要事項を記
入の上、保険年金課の窓口へ提出します。
なお、従来保険料猶予となる期間は申請をした月の前月から3月ま
ででした。平成17年度の申請については、平成18年3月までに申
請することにより、4月までさかのぼって特例を受けることができま
す。
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◆ 「 平均を採る危うさ 」 ◆
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「消費者の声」とは不思議なものである。消費者の声に合わせて仕
入れたもの或いは作ったものが売れるとは限らない。
Aさんの経営する老舗和菓子店は、昔から甘味がやや強くボリュー
ムがあることで有名だった。時々お客様の感想を聞くと、「甘みを少
し控えて」とか、「もう少し小さい方が体裁が好い」などというもの
があった。しかし、相変わらず、「この甘さと大きさが懐かしく、変
わらぬ味が嬉しい」という感想も多く、なかなか変更出来なかった。
このように迷っていたが、近くに競争チェーン店が出店して売上が
落ちたことを機会に、甘味とボリュームを他店並みに控えた商品に大
転換した。結果は大きな失敗だった。固定客が半減してしまったので
ある。
Aさんは厳しい表情で告白した。「消費者の声というものを勘違い
してました。平均的な要望に応えれば、大方のお客様を獲得できると
思ってました。うちの商品は甘味とボリュームに差別性があったこと
を忘れていました。平均的な要望に応えようとすると競争には勝てな
いものですね」
戦略経営の重要性が叫ばれているが、市場が細分化するほど多くの
要望を平均的に採用することは、架空の消費者をターゲットにする危
険がある。平均ではなく、特定の客層の要望に焦点を当てることが大
事である。