■■ Weekly Fax News 380 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 新『会社法』 」
(2)「 人事を尽くす経営 」
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◆「 新『会社法』 」◆
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1.有限会社が新たに設立できなくなる
Q.有限会社がなくなって株式会社に一本化されると聞きました。現
在の有限会社はどうなるのですか?
A.新「会社法」では、新たに有限会社の設立はできなくなります。
ただし、現存する140万社にのぼる有限会社については、その
まま存続できる経過措置が定められました。今後、有限会社には
次の選択肢があります。
【①新「会社法」施行後も有限会社のまま存続する】
ただし経過措置が時限的なものになると、将来、株式会社に移行し
なければならなくなる可能性が全くないとは言えません。
【②新「会社法」施行と同時または施行後に株式会社へ移行する】
今回、最低資本金規制が撤廃されるので資本金の増額は必要ありま
せん。新株式会社になると、任期のなかった取締役に任期が生じ、
決算公告も必要になりますが、会社の対外的な信用度は高まります。
2.最低資本金規制の廃止
Q.最低資本金規制限がなくなり、新たな会社を設立しやすくなると
聞いたのですが
A.そのとおりです。株式会社は1,000万円、有限会社は300万円の最
低資本金が不要となります。最低資本金規制はなくなりますが、
あくまでも資本金の最低基準がなくなるというだけで、資本金制
度そのものがなくなるわけではありません。
3.類似商号の規制が撤廃
同一市町村内において同一の営業目的で同一または類似した商号
は登記できないとの規制が撤廃されます。
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◆ 「 人事を尽くす経営 」 ◆
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物の本によると、禅語に繋驢桔(ケロケツ)というたとえがあるそ
うだ。杭につながれたロバが、これから逃れようと杭の周りを暴れて
いるうちに杭に綱が絡みついて、全く身動きできなくなるというもの
である。経営者の悩みに資金繰りのひっ迫がある。このままの状態で
は、仕入代金の決済ができない、従業員給料が払えない、借入金の返
済ができない等、深刻な事態である。まず、銀行や親類・知人宅等を
飛び回る。結局それらが不首尾になると、高利の融資で一時しのぎを
する経営者もいる。
医療機器を開発製造する知人のA社長は、昭和40年代に創業して
幾多の試練を乗り越えてきた。資金繰りが行き詰まりそうになったこ
とも珍しくない。しかし、これまで通常の金融機関以外から融資を受
けることなく、常に乗り切ってきた。
A社長は、経営情勢が厳しくなると経営計画から経営戦略や社内体
制まで見直し、財務諸表や資金繰り表を整備して自ら銀行交渉をした
のである。社長が自信と責任を持って明確に説明するので説得力があ
った。
中小企業の資金繰りに関して言えば、調達を急ぐ余り、A社長のよ
うな堅実な努力によって健全な融資を求める経営者が少ないのかもし
れない。自ら資金繰り状況が説明できるくらいの準備は当然である。