■■ Weekly Fax News 386 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 路線価に下げ止まり傾向 ― 都心はバブル現象も 」
(2)「 心の持ち方と経営理念 」
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◆ 「 路線価に下げ止まり傾向 ― 都心はバブル現象も 」 ◆
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平成17年分の路線価が全国の国税局・税務署で一斉に公表され、
標準宅地の全国平均路線価は13年連続でマイナスとなったものの、
都道府県別で東京都の平均がプラス0.4%に転じ、地価回復の傾向
を見せてきた。
路線価は、主要な道路に面した土地1平方メートルの標準価額。平
成17年分は、平成17年1月から12月までの間に発生した相続・
贈与で取得した土地の課税評価に使用される(また、この路線価が定
められていない地域の宅地の評価は、宅地の固定資産税評価額に一定
の倍率を乗じて評価する「倍率方式」によって行われる。倍率は、一
定の地域ごとに国税局長が定めている)。
17年分路線価の特色としては、全国的にはマイナス傾向が続いて
いるものの、下げ幅が縮小傾向にあり、下げ止まりの傾向が出てきた
ことである。プラスに転じた東京都の場合は、“ミニバブル”の傾向
が見えるという。その要因の一つになっているのが、「投資法人が小
口化した証券を発行し、投資家から集めた資金で不動産を買い、賃料
などの収益を配当として分配するリート」である。都心の一等地にあ
る大企業の本社ビル等の売却が相次ぎ、リートを展開する投資法人が
過当競争気味に土地を買い漁るため、ミニバブルの現象が出てきてる
とされている。
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◆ 「 心の持ち方と経営理念 」 ◆
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長年の知人で、居酒屋を3店経営するその社長は、苦渋の表現で話
した。「一体、私は何のためにこんな苦労をするんだろうか。月末に
なると給料支払の手配で飛び回り、家を担保に金を借りては心配して
いる」
お客が多く会社の経営は悪いように見えないが、競争の激しい居酒
屋経営は採算性が厳しいという。元々は明るい性格の社長なので、会
社の状況を謙遜して話しているものとしてあまり心配していなかった。
ところがある時、正式に話を聞いてもらいたいとその社長の訪問を
受けた。「苦労する意味が分からず、早く清算して気軽になろうかと
も考えている」と言う。最近の業績を問うと、資金繰りは大変だが、
損益はぎりぎり黒字だと言う。
「社長、原点に戻って、10年前に開業した時の夢と心意気を振り
返ってみましょうよ。経営理念は、『お客様の悦びが、私たちの生き
甲斐』でしたね。経営は大変でしょうが、社長の居酒屋には大勢のフ
ァンが毎晩来るではないですか」その後、経営の目的や目標(経営理
念)について話し合った。
やがて、心機一転した社長は、「会社の状況は同じでも、心の持ち
方ひとつで変わることが良く分かりました。夢を達成する為に自分が
求めた苦労と思えば、むしろ挑戦する勇気が出ますね」と言うまでに
なった。