■■ Weekly Fax News 391 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 災害と税務 ― 万一被災した時の留意点 」
(2)「 事に触れて来たる 」
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◆ 「 災害と税務 ― 万一被災した時の留意点 」 ◆
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<被災を被ったのが会社の場合>
災害により会社が損害を被った場合は、法人税では次のような措置が
あります。
法人税法上の災害に対する主な措置
(1)災害による欠損金の繰越控除―震災や風水害、雪害、干害など
で、たな卸資産や固定資産などに損失を被った場合、その災害
による欠損金額は翌期以降7年間にわたって控除できます。青
色申告書を提出していない場合でもOKです。
(2)資産の評価損の計上―法人が所有する土地や建物などの固定資
産について、災害により著しい損傷を受けた場合、評価損を損
金に算入できます。
* なお被害を受けた固定資産を原状回復するための費用は修
繕費になります。また被災前の効用を維持するための補強
工事または土砂崩れの防止等の費用も、修繕費として経理
処置していればそれが認められます。
<損害を被ったのが個人の場合>
社員や個人事業主が災害等によって、住宅や家財などに損害を被った
場合、確定申告で次のどちらか有利な方法を選ぶことで、所得税の全
部または一部を軽減することができます。
●所得税法の「雑損控除」による方法
●災害減免法の所得税の軽減免除による方法
(1)雑損控除とは?―災害(震災や風水害、冷害、雪害など)また
は火災、盗難もしくは横領などによって、資産に損害を受けた
場合、一定金額を所得から控除できるというものです。
(2)災害減免法による所得税の軽減とは?―被災した住宅や家財の
損害額がその時価の50%以上で、災害にあった年の合計所得
金額が1,000万円以下のとき、その年の所得税額自体を軽
減または免除するというものです。
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◆ 「 事に触れて来たる 」 ◆
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『徒然草』(第157段)に、「心は必ず事に触れて来たる」とい
う言葉がある。
筆記具を手にすれば物を書き、楽器を手にすれば演奏し、盃を手に
すれば酒を思うなどである。つまり、人の心と言うものは、物事に触
れながら動いて行くと言う。
例えば、仕事をするときの服装である。職場に来て、仕事着(制服
等)に着替えると仕事をしようとする心構えになる。ホテルやレスト
ランなどのような職場では、接客の言葉遣いまで流暢になる。今でも
仕事をするときは、ネクタイを締めないと落ち着かないという人が少
なくない。
本を読む時間がなくて困るという人がいる。実際は、忙しい人ほど
本をたくさん読んでいるように思われる。誰でも「事に触れる」チャ
ンスがあれば、自然に読書するようになる。「図書館に行く」「本屋
に行く」「常に身辺に本を置く」などである。
経営意欲の向上などにも、事に触れるチャンスを出来るだけ多く持
つことによって、心が大いに動かされる。例えば、大成功している経
営者の講演や体験談を聞く、最先端の技術を駆使している工場を見学
する、競争店の店舗を視察するなどである。いくら経営者の工夫意欲
を向上させようと念じても、事に触れる行動をしなければ真から求め
る心は動かないものである。