■■ Weekly Fax News 403 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 株式会社の設立 ― 資本金0円で可能に 」
(2)「 初一念をつらぬく 」
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◆ 「 株式会社の設立 ― 資本金0円で可能に 」 ◆
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このほど公表された会社法関係の法務省令案のうち、会社の経理実
務に関わる計算省令についてみると、計算書類は、貸借対照表と損益
計算書のほかに、株主資本等変動計算書と個別注記表が新設されるこ
ととなった。
現行で作成・株主総会での承認が義務付けられている利益処分案等
は、剰余金の配当や役員賞与が株主総会の決議事項とされたことから、
不必要となり、削除された。
新設された株主資本等変動計算書は、貸借対照表における「純資産
の部」(現行では「資本の部」だが、変更される)の1年間の変動状
況を示す計算表。
一方、注記表は、貸借対照表・損益計算書に関する注記事項をひと
まとめにしたものである。法定されていなかったが、現行監査基準等
により実務的には注記されてきた「継続企業の前提に関する注記」が、
注記表で注記すべきものとして明示された。
なお、公開会社でない会社(株式譲渡制限会社。ただし、会計監査
人設置会社を除く)は、一定のものを除き、現行の小会社の規律に配
慮して、注記を省略できる。
なお、会社法の条文上は資本金0円で株式会社を設立できるとされ
ていた点についいて、今回の計算省令では、資本金0円での設立を前
提とした規定を置いた。
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◆ 「 初一念をつらぬく 」 ◆
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創業相談に乗っていて気づくことがある。創業が実現出来る人とい
うのは、創業計画をじっくり練って初志をつらぬくか、ふとしたきっ
かけで気軽に始めるかである。中途半端な人は、創業の実現が難しい。
ここでは、初一念をつらぬいて創業を実現する場合を扱う。
数年に亘って創業計画を練り、結局実現出来る人は、経営理念やビ
ジョンがはっきりしているからであろう。具体的に言えば、創業する
目的や必要性、及び事業内容や事業規模を自覚していることである。
このような人は創業の準備を生きがいとし、ビジョンが明確だから的
確な情報を集めることができる。このような人に対するアドバイスは
比較的簡単で、アイデアも出し易い。
相談に来たAさん(38歳)は、美容院に勤務しながら7年前から
独立を計画していた。しっかりした事業プランも作成していた。しか
し、「技術と接客が一流の店」を作るという経営理念に自信が持てず、
熱心に研修会やコンテストに参加したり、店舗の視察をしたりして、
一時は創業に慎重すぎるように思われた。ところが、突然勤務先の美
容院が閉鎖された為、当時のAさんの言葉によると「やむを得ず」独
立した。その後の行動は驚くほど迅速で、今では数人の従業員を雇う
地域一番店となっている。