■■ Weekly Fax News 413 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 『最低資本金規制』廃止 ― 一方で『B/S公告』義務化 」
(2)「 現代の余禄 」
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◆ 「 『最低資本金規制』廃止 ― 一方で『B/S公告』義務化 」 ◆
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新会社法においては、現行の設立時資本金が株式会社1,000万
円、有限会社300万円以上とする「最低資本金規制」が廃止される
とともに、現行300万円を残すとされている「資本減少の上限規制」
が廃止されるなど、会社の設立・維持が極めて容易になるが、その一
方で、資本金という企業信用の目安がなくなる代替措置として、すべ
ての会社に「貸借対照表の公告」を求める等厳しい規則が設けられて
いる。
新会社法の法案作成段階で、「最低資本金規制の撤廃は、債権者保
護の観点から問題がある」などとの議論を呼んでいた。そのため、
「新会社は、債権者に財産状況を適切に開示することが肝心である」
として、新会社法は第440条第1項に「株式会社は、法務省令で定
めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大
会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければなら
ない」と定めている(現行法下でも、株式会社は、定時株主総会後、
遅滞なく、決算公告をしなければならないことになっているが、多数
の中小会社は行っていない)。また、新法制下では資本金減少額の上
限規制が廃止されているものの、配当をする場合には、「純資産額が
300万円を下回っていると、たとえ剰余金があっても配当を禁止す
る」とした規定が設けられていることにも留意しなければならない。
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◆ 「 現代の余禄 」 ◆
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江戸時代には献残屋(けんざんや)という贈答品専門の取り引き商
売があった。地位の高い人などが多くの贈り物をもらい、要らない品
物を献残屋に売るのである。現代で言えばリサイクルショップである。
いつの時代にも商売には交際が付き物で、会社間の交際には、交際
費という費用が発生する。飲食物や観光旅行・スポーツなどによる接
待、商品券・雑貨・飲食物の贈答などによる。会社の窓口に持ち込む
こともあるし、特定の人に渡すこともある。
ところで、税法では一定限度額まで法人の交際費は10%(数年前
は20%)を除いて経費となる。税法の厳密な意義は知らないが、こ
の10%カットには一体どんな意味があるのだろうか。小会社で考え
てみよう。
例えば、お中元やお歳暮を使う会社は、逆にそれらをもらう可能性
もある。冠婚葬祭やパーティにお金を包んで行けば、飲食をしたり記
念品を貰ったりする。10%くらい経費をカットされても元はとれる。
交際費を運営している経営者や社員の立場から見ると、お互いに接
待をしたり贈り物をしたり貰ったりと、給料とは別の恩典(通常は表
に出ない余禄)がある。公務員は賄賂になる危険性があるが、一般会
社では隠れた報酬として、ささやかな余禄を楽しんでいる人も多いよ
うだ。