■■ Weekly Fax News 412 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 4月から始まる定年引上げ ― どう対応する? 」
(2)「 個性的な立地条件 」
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◆ 「 4月から始まる定年引上げ ― どう対応する? 」 ◆
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高齢者雇用安定法が改正され、65歳までの定年の段階的な引上げ
や、継続雇用制度の導入などが4月から実施されることになりました。
これは、年金の支給開始年齢が延長されことを踏まえて高齢者の雇用
を確保しようとするものです。具体的には企業が選択できる高齢者雇
用確保の措置は次の3通りのいずれかです。
【高齢者雇用確保の措置】
〔①定年の引上げ〕定年そのものを引き上げる。
〔②定年制の廃止〕高齢者が自発的に退職するか解雇されるまで雇用
される。
〔③継続雇用制度の導入〕現在雇用している高齢者が希望する場合は、
定年後も引き続いて雇用する制度です。定年時の身分で継続する方法
もあれば、定年時にいったん退職して改めて再雇用される方法もあり
ます。継続雇用の場合は、必ずしも定年までの業務や雇用条件を引き
継ぐとは限りません。さらに有期雇用や短期間労働という形態も考え
られます。
【制度変更に伴ってしなければならないことは?】
まず、就業規則の改定が必要になります。前述①の定年引上げについ
ては、引き上げた年齢に改めます。②の定年制廃止については、定年
の条項を削除するか定年を設けないことをうたうことになります。
③の継続雇用を選択する場合は、本人が「希望すれば○歳まで雇用す
る」、あるいは「定年時に退職し、さらに○歳まで再雇用する」とい
ったことを規定します。
【継続雇用は基準を決める】
基準はできるだけ具体的で企業の事情に即した内容にしなければなり
ません。そして対象者本人が「基準に適合するか、一定程度予見でき
る」もので、「必要とされる能力などが客観的に示されている」こと
が必要です。単に「会社が必要と認めたもの」といった漠然とした規
定はダメです。また特定の縁故や不当労働行為など差別に基づく基準
いけません。なお決定した基準は従業員に周知しなければなりません。
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◆ 「 個性的な立地条件 」 ◆
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偶然おもしろい光景を見たので、前回に引き続きハトに題材を求め
る。ある寺の参道にハトが群れ、人の落としたエサを争って啄んでい
た。一方、その寺近くの交差点の角に小鳥屋があって、一羽のハトが
こぼれているエサを悠々と啄んでいた。
商店街を典型に、一般に商売は寄り集まって営むことが有利と思わ
れている。良い立地条件の選定と言うと、繁盛している商業集積の中
に出店することと思われがちである。確かに、飲食店などはにぎやか
な駅前繁華街の中に出せば安心であるし、工夫次第で繁盛の確率も高
い。
ところが、大型スーパーなどは商店がほとんど無い郊外に出店した
り、行楽地などでは林の中に小さい個性的なレストランなどを出店し
たりして人気になっている場合もある。前者は規模の力によって集客
力を発揮しているのであるが、後者は情景の意外性や個性化によって
顧客吸引力を持っているのであろう。この立地戦略がうまくいけば、
一羽だけ小鳥屋の前でエサを啄んでいるハトのようなものである。
他方、繁華街などは同業者の競争が過度になると、特長のない商店
は疲弊して撤退してしまうことも多い。やはり、どんな好立地であっ
ても、独自の立地戦略を持つことと、店舗の個性作りが必要なのであ
る。