■■ Weekly Fax News 418 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 会計法は5月1日から施行 ― 5月期決算から新計算書類に 」
(2)「 管を以て天をうかがう 」
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◆「会計法は5月1日から施行 ― 5月期決算から新計算書類に」◆
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会社法の施行日を定める政令がこのほど開かれた閣議で決定され、
18年5月1日から会社法が施行されることが正式に決まった。今回
の会社法では、会社の機関設計が大きく柔軟化・多様化され、種類株
式としての株式譲渡制限が認められ、利用しやすくなるなど、商法の
規制に比べて全体的に自由度が増している。
その一方で、とくに中小会社については、自ら決めなければいけな
いことも多くなっている。
例えば、機関設計について、公開会社とするか株式譲渡制限会社と
するか、取締役会を設置するかどうか(有限会社を株式会社に取り込
んだことで、取締役会のない設計も可能となった)、監査役を設置す
るかどうか(一定の会社では会計参与で代替できることとなった)、
監査役の権限を会計に絞るか、会計参与を設置するかどうかなど、会
社法が施行される5月以降の定時総会での検討項目は多い。また、1
8年3月・4月決算までは旧商法等による計算書類を作成するが、5
月決算からは会社法による計算関係書類を作成するので、その対応も
必要になる。例えば利益処分案の代わりに株主資本等変動計算書が導
入され、貸借対照表や損益計算書もその内容が若干変わったので要注
意である。
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◆ 「 管を以て天をうかがう 」 ◆
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A社は商売熱心な現在の会長が昭和40年代に陶器店からギフト専
門店に転業し、今や7店舗を経営する企業に成長した。数年前、会長
の息子が脱サラして事業承継したが、周辺業種からの参入で競争が厳
しくなったり、消費者のギフト商品に対する嗜好変化から品揃えが複
雑になったりして、業界の将来展望が困難になっている。
後継者の最近の口癖は、「ギフト専門店の将来は暗い」「事業承継
などしなければよかった」である。従業員の前でも言うので、会長も
放っておけなくなった。
「社長のように一部の現象だけで商売全体を判断してしまうことを、
昔の人は『管(くだ)を以て天を窺(うかが)い、錐(きり)を用
(もっ)て地を指す』と言ったものだ(出典は『荘子』、参考文献;
諸橋轍次著『荘子物語』)。私がギフト屋を始めたのは、陶器の需要
が無くなると思ったのではなく、売り方や品揃えの組み合わせが時代
に合わなくなったと思ったからだ。同様に、ギフト屋が要らなくなっ
た訳ではない!売り方や買い物動機の開発を工夫すれば、いくらでも
新しいマーケットを見つけられる。例えば、アメリカには誕生日など
の記念品ギフト商品に絞った通販で大繁盛している企業などもあるそ
うだよ。現状を細い管を通して眺めないで、広い見地から考えろ」