■■ Weekly Fax News 422 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 改正後の損金算入 ― 3種類の役員給与だけ 」
(2)「 推譲の精神 」
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◆「 改正後の損金算入 ― 3種類の役員給与だけ 」◆
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平成18年度税制改正で損金算入できる役員給与が3つにまとめら
れた。それは、(1)定期同額給与(2)事前確定届出給与(3)利
益連動給与――とされている。(1)は、支給時期が1月以下の一定
の期間ごとであり、かつ、その事業年度内の各支給時期における支給
額が同額である給与のことで、改正前の「役員報酬」がこれに当たる。
国税庁は、例示として「役員に対する給与の額を定時株主総会の時に
合わせて改正する等、その改正が当該事業年度開始の日の属する会計
期間開始の日から3月を経過する日までに行われている場合、その改
正前の各支給期における支給額が同額である給与は、それぞれ定期同
額給与に該当する」と説明している。要するに、この例示に従うと、
3月決算法人が株主総会で役員給与の改定を決め、6月から実施する
ケースだ。4~5月が同額、6月から翌年3月まで改定後の同額であ
れば、改正前も後も定期同額給与として損金算入できるということで
ある。(2)は、「その給与に係る職務の執行を開始する日と当該事
業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日との
いずれか早い日までに納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関す
る届出をしている場合の当該給与」とされている。(3)は非同族会
社のみが対象である。
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◆ 「 推譲の精神 」 ◆
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「推譲」とは、例えば月20万円の収入がある者が毎月少しでも残
して暮らすような精神である。20万円稼いで20万円使ってしまえ
ば蓄えはできず、20万円を超えて暮らせば借金生活となる。裕福に
なるかどうかは、単に収入が高い低いではなく、この推譲の精神を発
揮するか否かによる。月給20万円の人が、倹約して毎月1万円の積
立預金をする場合と、驕(おご)って毎月1万円の借金(大抵は高金
利)をする場合とでは大きな差がつくのである。このような状態が1
0年続けば、恐らく前者は数百万円の蓄えを持ち、後者は多額の借金
に苦しんで破産している可能性も十分ある。
会社や国家の財政状況も以上と同様である。決算で言えば、毎期1
0万円でも経常損失と経常利益とでは、やがて財務状態に大きな差が
つくのである。経営者であれば実感していると思うが、毎月少し金が
残せるか毎月少し金が足りないかは、資金繰りにおいて極楽と地獄の
別れ目となるのである。
また予算規模が大きくなるほどに推譲の精神が重要となる。年間収
入が数億円の時は何とか運営できた会社や自治体が、経済成長等によ
って年間収入が数十億円になった途端に驕り、推譲を忘れて行き詰ま
ることが珍しくない。会社や自治体の財政等も推譲の精神で運営すれ
ば健全である。