■■ Weekly Fax News 431 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 脱税資金の隠し場所 ― 『査察白書』で明らかに 」
(2)「 恩は自分が着るもの 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 脱税資金の隠し場所 ― 『査察白書』で明らかに 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
国税庁がこのほどまとめた「平成17年度における査察の概要」
(査察白書)は、脱税者の典型的な“脱税資産”等の隠し場所を明ら
かにしている。
それによると、次のような場所に隠されていたとしている。【ケー
ス1】現金(5億円)がプレハブ倉庫に置かれた流し台の収納スペー
スにあったスポーツバックに隠されていた【ケース2】現金と定期預
金通帳が居宅台所の吊り戸棚にあった土鍋の中に隠匿されていた【ケ
ース3】預金通帳(5億円)、割引債券(3億円)などが親族の居宅
に“疎開”していた手提げ袋の中から発見された【ケース4】郵便貯
金通帳(4千万円)とキャッシュカードが居宅寝室の天井に取り付け
られている証明器具の中に隠されていた【ケース5】脱税に係る事業
収入金額を記録した書類等が遠隔地の知人が使用しているマンション
で発見された【ケース6】現金、預貯金通帳、権利証が居宅の風呂場
の脱衣所の床下収納庫に隠されていた。
また、白書は、告発件数の多かったワースト業種(5件以上)を掲
げている。キャバレー・飲食店11件、不動産、パチンコ各8件、建
設業7件、人材派遣業6件、鉱物・金属材料卸6件、カルチャー産業
5件 などとなっている。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 「 恩は自分が着るもの 」 ◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
「恩は他人に着せるものではない。自分が着るものである」と言わ
れるが、まさに人間心理の神髄だと思う。
事業や人生に成功している多くの人の信条に、「成功の秘訣は感謝
の心を忘れないこと」というものがあるが、これも他人に受容される
当然の原理かもしれない。
知り合いの経営者に、新しいアイデアを集めて次々に事業を起こし
ているAがいる。この方は、事業の低迷に苦しんでいる知人等を気軽
に誘って新事業を起こす。
ところが、5年くらいのサイクルで事業を起こしては失敗を繰り返
している。Aさんを頼ってくる人を組織化して新事業を起こすところ
までは順調であるが、軌道に乗りはじめると仲間から裏切り行為(例
えば、ノウハウを活用して別法人で独立する等)が出たりして、結局
は本体が分裂してしまう。「Aさんは遣り手で面倒見も良いが、他人
に恩を着せて成果を独り占めにするから困る」というのが、仲間の言
い分である。
Aさんの信条は、「感謝される人になる」が口癖であるが、「恩」
(=感謝する心)の据え方に問題があるようだ。他人から受けた親切
に感謝する心は尊いが、自分が与えた親切に対して感謝することを他
人に強いることは、他人には受容されないものである。恩は自分が着
てこそ尊いのである。