■■ Weekly Fax News 438 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 厚生労働省集計 ― 18年春季賃金率1.79% 」
(2)「 家族経営からの脱却 」
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◆「 厚生労働省集計 ― 18年春季賃金率1.79% 」◆
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厚生労働省はこのほど、平成18年民間主要企業春季賃上げ要求・
妥結状況についてとりまとめた。集計対象は、資本金10億円以上か
つ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額等を
把握できた288社である。
集計によると、春季賃上げの妥結額平均は5,661円となり、昨
年を239円上回った。賃上げ率は1.79%となり、昨年の1.7
1%をわずかに上回った。
集計対象288社のうち、具体的な要求額が把握できた209社の
要求額は7,099円となり、昨年の5,803円を大きく上回った。
賃上げを産業別にみると、妥結額が高かったのは、石油7,405
円、サービス7,005円、自動車6,772円などとなっている。
妥結額が低かったのは鉄鋼3,690円、その他製造4,711円、
情報通信4,743円などとなっている。
また賃上げ率は、サービスの2.37%が最高で、以下、窯業2.
23%、自動車2.13%と続く。一方低かったのは鉄鋼の1.25
%で、以下、電気・ガスの1.26%、情報通信の1.40%などと
続いている。なお妥結額のピークは昭和49年の28,981円で、
賃上げ率も32.9%に及んでいた。賃上げ率の最低は平成15年の
1.63%。平成14年以来、1%台で推移している。
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◆ 「 家族経営からの脱却 」 ◆
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X社は、現在のA社長が20年前に創業した衣料品と雑貨のリサイ
クルショップである。比較的順調に成長したので、Aの兄弟が手伝う
ようになり、現在はAの子供たちも従事している。また、店舗を増や
して一般従業員も5人ほど雇うようになった。
オークション(市場での競売仕入)や店内仕入(顧客からの買取)
はAと子供たちがほとんど行っている。リサイクルショップは商品鑑
定や査定に関するノウハウが重要なためか、仕入職務の役割は経営者
とその家族に偏りがちである。この業界は、従業員による不正が多い
ことや定着率が低いこと、運営システムが近代化されていない等の理
由によって、一般従業員への職務権限の委譲が進まず、待遇改善も遅
れる傾向がある。
日頃のAの嘆きは「年中休みもなく稼いでいるのは我々(A自身と
家族のこと)だけで、一般社員は売るだけか、言われたことをやるだ
けだ」というものである。
筆者は、「今のような職務分担と処遇では、成長に限界があります
よ。家族経営をしているということは、幹部従業員の育成(接客能力、
商品鑑定力、人間育成、自己啓発等)を怠っているということです。
何億円という売上、何千万円という利益を計上するためには、人材を
育成して家族経営から脱却する必要があります」と話している。