■■ Weekly Fax News 437 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 裁判員選任の社員等 ― トヨタが有給休暇の付与検討 」
(2)「 昼飯に見る景気予想 」
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◆「 裁判員選任の社員等 ― トヨタが有給休暇の付与検討 」◆
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トヨタ自動車が2009年までに始まる「裁判員制度」に選任され
た社員が会社を休む際に「裁判員休暇」(有給)を当該社員に付与す
る方向で検討していることがこのほど報道され、大きな反響を呼んで
いる。
トヨタ自動車が、こうした措置をこうじたことは当然とされるもの
の、中小企業であっても「わが社の従業員が裁判員に選ばれるケース」
があるわけで、その際、休暇をどう扱うかは、トヨタの問題に限らな
いからである。裁判員制度は、国民が裁判員として刑事裁判に参加し、
被告が有罪かどうか、有罪の場合、どのような刑にするか裁判官と一
緒に決める制度(通常7日程度の日数)。国民はアトランダムに裁判
員に選ばれるが、その際、「辞退できるかどうか」について、制度を
解説した「裁判員制度」のチラシは「広く国民に参加してもらう制度
であるため、原則として辞退できない。ただし、70歳以上の人、学
生、一定のやむを得ない理由(例えば、重い病気・けが、同居の親族
の介護・養育、事業に著しい損害が生じる恐れがあること等)などは
辞退できる」としている。したがって、社員等が裁判員に選ばれた場
合、休暇問題が必然的に起きてくることになる。ちなみに、裁判員は
無報酬ではない。所定の日当や交通費が支払われる。
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◆ 「 昼飯に見る景気予想 」 ◆
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Aさんは、駅前商店街の中で中華食堂を40年間営んでいる。中華
食堂には珍しく、メニュー構成をダイナミックに変更しながら景気情
勢に素早く応じている。20年前からは息子夫婦も一緒に仕事をする
ようになり、今では繁盛店を3店経営している。
Aさんは自信をもって言う。「日本人は江戸時代初期までは1日2
食だった。昼飯を食うようになって1日3食になったので、どうして
も昼飯は簡単なもので済ませたようだ。収入に応じて加減できるし、
貧しければ抜いてもよかった。今でも、お客様の昼飯にかけるお金の
使い方を観察すれば、世の中の景気の行方がすぐ分かるね」と。
食堂で昼飯に使う金額は夕食代などに比べると人によって大きな違
いがなかったり、毎日同じようなお客様が来る傾向になったりするた
めか、自店のお客様全体の流れを把握し易いものだ。例えば、景気が
悪くなると定食類中心になって客単価が下がったり、飲食メニューの
注文が悪くなったり、油断するといつも来店しているお客様が段々と
来なくなったりするものだ。
Aさんは繁盛店作りのコツを言う。「景気変動の気配を感じたら、
なるべく早くメニュー構成を思い切って変える。今のような回復期に
は、やや価格の高い新メニューを加えることだね。昼飯で景気が分か
るよ。」