■■ Weekly Fax News 447 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 17事務年度法人税課税事績 ― 黒字所得17%増加 」
(2)「 値上げ?それとも値下げ? 」
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◆「 17事務年度法人税課税事績 ― 黒字所得17%増加 」◆
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国税庁はこのほど、「平成17事務年度における法人税の課税
事績」をまとめた。
それによると、平成17年事務年度末(平成18年6月30日)現
在の法人数は297万7千件(前年対比1.0%増)となっている。
申告の状況を見ると、申告件数は276万(同0.9%増)で、黒字
申告割合は31.9%(前年31.5%)である。申告所得金額は5
0兆3,974億円で前年に比べ、7兆2,238億円(対前年比16.
7%増)増加した。黒字1件当たりは、5,661万円(前年4,94
5万円)になる。一方、申告欠損金額は22兆7,154億円で、赤
字申告1件当たり1,183万円(前年対比3.1%減)の規模だ。
「法人税の実地調査」の状況を見ると、税務当局は、大口・悪質の
不正計算が想定される法人など調査の必要性の高い法人を対象
選定し、14万3千件について実地調査を行っている。その結果、
10万4千件から非違を摘発し、申告漏れ所得金額1兆6,654億
円を把握している。これらのうち、仮装・隠ぺい等があったものは2
0.1%に当たる2万9千件(不正発見割合20.1%)だった。業種
別不正発見割合が高いワースト3業種は、(1)バー・クラブ56.2%
(2)パチンコ51.0%(3)廃棄物処理33.4%となっている。
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◆ 「 値上げ?それとも値下げ? 」 ◆
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ここ1,2年で飲食店や物販店の低価格戦争がウソのように消えた。
ハンバーガーチェーンや牛丼チェーンも安売り合戦を止めて、客単価
の向上戦略へと転換した。
先日、電車の車内広告(英会話教室)を見たら、「値上げしません」
という言葉が大きく出ていた。値下げではなく、値上げしないことが
店舗差別化になる情勢に変化した。
ハンバーガー戦争のとき、Aチェーンは最初から低価格を徹底した
が、他のチェーンは品質を訴える戦略を採用した。このときは、Aチェ
ーンの大勝だった。
X総菜チェーンは揚げ物の安売り店であるが、ここ1年は売上が低
迷している。元々やや収入の低い客層が中心であった。景気回復に
つれてその内の下のクラスは来店しているが、上のクラスが減少して、
客数・客単価共に低迷した。業態戦略として安売り店を標榜している
ので、値上げや新商品投入による客単価の向上策に躊躇していた。
現在、Xチェーンは値上げによる客単価の向上策を実行しているが、
未だ経営陣の一部には値下げまたは価格据置を主張する者がいる。
「安売りで伸びた店が、売れなくなったと値上げすれば、更に売れな
くなる」と言う。確かに値上げによる客単価向上策は、同時に接客・
商品・店舗の各エネルギーも高めなければ成功しないであろう。