■■ Weekly Fax News 452 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 厚生年金の離婚分割 ― 夫死亡後も打ち切りなし 」
(2)「 時間短縮業と時間消費業 」
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◆「 厚生年金の離婚分割 ― 夫死亡後も打ち切りなし 」◆
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離婚する場合に、夫の厚生年金を妻に分割できる制度が、平成19
年4月から導入されます。熟年女性の関心は非常に高いようです。た
だ、「夫の年金を半分もらえる」と思っている人が多いようですが、
それは正確ではありません。安易に離婚すると、老後の生活が成り立
たなくなる可能性もあります。制度を十分に理解しておく必要がありま
す。
制度の基本を紹介しておきましょう。分割の対象は、結婚期間中に
納めた保険料に基づく夫の厚生年金(報酬比例部分)です。基礎年金
は分割の対象になりません。また、妻も会社に勤めたことがあれば、
夫婦の厚生年金を合算したものが分割対象になります。分割割合は、
夫婦の厚生年金の半分を上限に、夫婦の話し合いで決めます。
分割された年金は、妻の名義になり、妻に直接支給されます。夫が
死亡しても打ち切られることはなく、終身で受け取れます。
ただし、受給できるのは、夫が年金をもらい始めた時ではなく、自分
が厚生年金の受給開始年齢に達してから。会社などに勤めた経験が
なく、ずっと専業主婦だった人は、65歳からとなります。
これまでにも、離婚時の協議などで、夫の厚生年金の一部を妻に分
与することを決めるケースはありました。しかし、厚生年金が夫の名義
であることは変わらず、夫が全額受け取った上で、妻に約束した額を
送金するなどの形でした。別れた夫がきちんと送金するとは限りませ
んし、夫が死亡すれば、年金は打ち切りです。離婚後の妻にとって、
安定した生活資金とは言えませんでした。分割制度では、ここが大き
く変わります。
ここまで、分かりやすいように「夫」「妻」としてきましたが、妻の厚生
年金の方が夫より多い場合は、夫が分割を受ける側になります。
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◆ 「 時間短縮業と時間消費業 」 ◆
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「いつの時代でも繁盛する仕事とはどんなものですか」という質問
を受けることがある。質問する人の真剣度は分からないが、当方は真
剣な顔をして、「時間を短縮又は節約するような商品やサービス」と
答える。
自動車や電車の機能の一つに時間を短縮する効果があるし、洗濯
機や電子レンジ等にも同じ機能がある。火を点ける道具にしても、「木
や石を摩擦する→火打ち石→マッチ→ライター又は自動点火」と、時
代と共により短い時間で使えるようになった。他人に金を払って家を
建てる理由は、自分に技能が無いことにもよるが、自分で建てるより
ずっと早いことにもよるかもしれない。特に、サービス業の大多数に時
間短縮や時間節約の機能がある。根本的に考えると、全ての仕事に
時間短縮機能がある。
反対に、このように時間を短縮したり節約したりする人が、より時間
のかかるサービスを喜んで求めるようになった。例えば、海外旅行を
飛行機ではなく船でゆっくり味わう、購入するよりも値段の高い洋服
や小物を長い時間かけて手作りする、社会人が再び学校に通い始め
る、等々である。
人は自分の価値観に合った行為に十分な時間を使い日常茶飯事の
行為には出来るだけ時間を使わないようにするようだ。ゆっくり時間を
消費させるサービスも有望だ。