■■ Weekly Fax News 450 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 相続税の課税理念見直し ― 日商が要望 」
(2)「 良い信念と悪い信念 」
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◆「 相続税の課税理念見直し ― 日商が要望 」◆
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日本商工会議所はこのほど、「経済産業大臣に対する要望」を行っ
た。日商は、この要望に当たり、「新政権の誕生を機に、安倍総理が
提唱される『美しい国、日本』の理念のもと、『経済成長なくして財政
再建なし』及び『地域の活力なくして国の活力なし』という基本的スタ
ンスに立ち、わが国経済の持続的発展のため、特に地域再生や中小
企業の活力強化に取り組んでいただきたい」と述べ、7項目にわたる
要望書を提出している。それらの要望事項の中で注目されるのが「事
業承継の円滑化に向けた総合的な支援の推進」と「中小企業の自己
資本充実等の経営基盤強化等を図る税制の是正・拡充」である。前
者については、「中小企業経営者の高齢化が進む中、地域経済の活
性化や雇用創出の役割を担っている中小企業の円滑な事業承継を支
援するため、現行の相続税の課税理念を見直し、事業用資産の承継
については事業継続を前提に非課税とするなど包括的な事業承継税
制を確立すべきである。また、事業承継円滑化をサポートする事業承
継協議会の運営支援、パンフレットの作成・配布やセミナー開催等に
よる中小企業への普及啓発、相談・指導を行う人材の育成など事業
承継の円滑化に向けた総合的な支援を推進してほしい」と要望してい
る。
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◆ 「 良い信念と悪い信念 」 ◆
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A社長は、役員や社員から何か提案を受けると、「それを実施して
失敗したら困るね。その時、君は責任が取れるのか」と言うことが多
い。B社長は、同様の場合、「これがうまく行けば我が社は発展する。
その時、君は最大の功労者になるよ」と言って喜ぶ。
人には、良かれ悪しかれ、いろいろな信念がある。何か実行しよう
として、成功するという信念が形成され易い人と、反対に失敗すると
いう信念が形成され易い人とがいる。別の表現をすれば、いつも「よ
しよし、成功する成功する」と自己暗示している人と、いつも「ああ、
失敗する失敗する」と自己暗示している人とがいる。
A社長に経営指導をすると、「そのやり方で改善出来るとは思わな
いが」と口癖のように前置きを言ってから、自社の弱みや従業員の無
能さを列挙する。そしてさらに、実行して失敗した過去の事例を思い
出したり、その時の失敗のツケを嘆いたりする。同様の場合、B社長
は、「どんな改善も真剣に準備して取り組めば絶対うまく行くものだ」
と受け止め、実行の作戦指導を促す。何かすれば必ず失敗するという
自己暗示は、廻りの人々にも悪い信念を抱かせて、同じような自己暗
示を持たせてしまうものである。特に上に立つ人は、「必ず成功する」
という信念を持つことが大事である。