■■ Weekly Fax News 467 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 公的年金改正 ― 賃金多い70歳以上も減額 」
(2)「 親は子のために隠す 」
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◆「 公的年金改正 ― 賃金多い70歳以上も減額 」◆
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公的年金は4月から、さまざまな制度改正が実施されます。主な内
容を紹介します。
【保険料】自営業者などの国民年金保険料は、4月から月240円引
き上げられ、月1万4100円になります。07年度は基準額より4
0円低い金額となります。厚生年金の保険料率は、毎年9月に改定さ
れます。
【働く高齢者】厚生年金には、60歳代で正社員として働くと、賃金
に応じて年金を減額する「在職老齢年金」の仕組みがあります。4月
以降、対象者が70歳以上にも拡大されます。減額方法は60歳代後
半と同じで、厚生年金(報酬比例部分)の月額と、毎月の賃金(年間
賞与の12分の1を含む)の合計が48万円以下の場合、減額はあり
ません。48万円を超える場合は、超えた額の半分が厚生年金から差
し引かれます。例えば合計額が50万円の場合、超過額2万円の半分
に当たる1万円が減額されます。ただし、70歳以上の人は、正社員
として働いても厚生年金保険料を徴収されません。すでに70歳にな
っている人(正確には1937年4月1日以前に生まれた人)は当面、
減額の対象外です。ただし、政府は今後、こうした人たちの年金も減
額の対象とする方向で検討を進めています。
【繰り下げ受給】希望する人は、65歳以降の厚生年金の受給を66
歳以降に遅らせることが可能になります。受給開始を1ヵ月遅くする
ごとに、将来の年金は0.7%増額されます。5年間遅らせて70歳
から受け取ると、本来より42%多くなります。
【年金辞退】公的年金は、いったん支給が始まると、自分の都合で受
給を止めることができませんでした。4月からは、生活に余裕があり
「年金はいらない」という人は、受給を辞退できるようになります。
将来、お金が必要になった場合には、請求すれば、その時点から支給
されます。
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◆「 親は子のために隠す 」◆
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婦人服販売チェーン(従業員55人)において主任研修会の講師を
務めた後で、この会社のA社長と懇談した時のことである。各主任は
勤続5年以上の女性社員が主だった。
「皆さん、接客能力やファッションセンスをしっかりお持ちのよう
ですね」と話し掛けたところ、A社長は「販売技能レベルとは何とか。
でも、問題も多くてね」とやや躊躇しながらも話し始めた。
「各主任が重大報告として、部下の失敗や問題行動等を無闇に持ち
込むことです。会社の決まりを盾に何とかしろとね。特定の客ばかり
を優遇するとか、決められた服務規程を無視するとか、もう切りがあ
りません。言っていることは正しいけど、部下に対する温情が感じら
れないのです。私は大抵、各職場でよく話し合えと追い返しますよ。
正しいことを指示しても、現場が真剣に取り組まないと解決になりま
せん」
『論語』に、「子は親のために隠し、親は子のために隠す」とある。
親の不正を子が警察に訴えたり、子の不正を親が警察に訴えたりする
ことは、社会的には正しい行為であるが温情には欠けるかもしれない。
理想論は、責任ある管理者は日頃部下を厳しく指導しつつ、経営者
から部下の欠点を指摘されたような場合は、むしろ助け舟を出すぐら
いであってほしいと思う。