■■ Weekly Fax News 474 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 ふるさと納税―マスコミも賛否両論 」
(2)「 卒を視(み)ること嬰児の如し 」
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◆「 ふるさと納税―マスコミも賛否両論 」◆
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「ふるさと納税」について、マスコミの論調も賛否両論に分かれて
いる。
反対の論調は、朝日新聞。5月22日付の社説は、「そもそも、政
府が地域格差を縮めようというときに、なぜ地方税を使うのか。地方
税は自治体の収入であり、日々の住民サービスへの対価だ。国全体の
格差をなくしていくには、国税を用いるのが筋だろう。自民党の中川
幹事長は自治体やNPO法人に寄付した金額を、国税の所得税から控
除する案を唱えている。こちらの方が『ふるさと納税』より、よほど
理にかなっている」と述べている。
一方、賛成派は毎日新聞。5月21日付の社説で、「納税者が納税
先を選択できるのは画期的なことだ。勤労者の大部分はサラリーマン
で、税金は源泉徴収で天引きされ、年末調整の手続きも会社が行うこ
ともあり、納税者としての意識が育ちにくい。健全な納税者としての
意識は民主主義の基本のはずで、国民の間で納税者としての意識的な
行動が拡大すれば、有権者と政治・行政との関係も変わるだろう。ふ
るさと納税制度の提案を、選挙用のパフォーマンスに終わらせるには
もったいない」としている。
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◆「 卒を視(み)ること嬰児の如し 」◆
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この表題の意義は、将軍は兵士を赤子のように見ていたわりかわい
がれば、危険な場所にも付いてきてくれるというものである(金谷治
訳注『孫子』岩波文庫より)。
経営者(又は上司)の部下に対する関係も同じで、一方的に指揮命
令するだけでは心服して従うという気持ちが生れない。気に入った仕
事をする時や高い報酬が期待出来る時などには、簡単に従うかもしれ
ない。しかし、辛い仕事を命令されたり、業績の低迷を告げられたり
すれば、簡単に労働意欲の低下や退職が始まるだろう。
経営者や上司の仕事は、「部下を指揮命令して仕事を強制し、給料
に見合った成果を獲得すること」であると考えている人がいる。結論
だけ言えば企業体はこの通りかもしれないが、このような経営者や上
司の下で喜んで働く者は少ないであろう。やはり、部下の心情を大事
にして、わが子をいたわるような気持ちで接することが求められるの
である。
ところで、部下を大事にして、愛情を注ぐことは必要だが、部下の
一時的な反抗や難渋を心配して命令や叱責を放棄するようではいけな
い。子供を甘やかして傲慢に育てることが困るように、経営者が部下
に指揮命令出来ないことは、企業体が役に立たない組織となってしま
うことである。