■■ Weekly Fax News 475 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 税収格差見直しに反発 ― 都が緊急提言 」
(2)「 経営者の人間味 」
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◆「 税収格差見直しに反発 ― 都が緊急提言 」◆
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東京都税制調査会は、国に対して、「地方税源の充実確保」を求め
る緊急提言を行った。現在政府が進める地方自治体の税収格差是正の
動きや、住民税の一部を生まれ育った自治体などに納める「ふるさと
納税構想」など、結果として東京都など都市部の税収が減る可能性が
高くなる。そこで都は緊急提言をまとめ政府に提出した。その主な内
容は、「地方分権を進めることが都民ひいては国民全体の生活向上に
つながり、新しい日本の未来を切り拓くとの信念に基づきこれまで提
言を行ってきた。地方自治体が今後ますます高まるその役割を適切に
担っていくためには、自由度の高い地方税財政構造を構築することが
重要であり、地方税源のさらなる充実確保を図ることが必要であると
の観点から、次の事項について国に強く要請する。(1)国と地方と
の役割分担を明確化した上で、それに見合った税財源を確保するため、
まずは消費税に対する地方消費税の割合を高めるなど、さらなる税源
移譲を進め、少なくとも、国税・地方税の税源配分を1対1にするこ
と(2)受益と負担に基づく応益課税という地方税の原則を無視して、
税制を地域間の財政調整の手段として用いないこと」などである。さ
らに「大都市狙い撃ちの『財政力格差是正論』への反論」として都の
意見をまとめ公表している。
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◆「 経営者の人間味 」◆
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X社(電材卸業、社員20人)のA社長は、無口かつ無愛想である
が、社員は勿論、関係先の人々にも評判が好い。5年前、A社長が病
気で入院した時、関係先の社長から過去勤めていた社員まで切れ間無
くお見舞いに現れ、家族が驚くほどであった。
10年前、こんなことがあった。X社も不景気の影響を受け、売上
高と採算性が低迷して余剰人員に悩んでいた。社員30人を20人程
度に減らす必要があった。社長は悩んだ末、年が若く優秀な社員から
声を掛けて行った。これらの社員は、転職が比較的容易と考えたから
である(事実、社長が知り合いに紹介して就職ができた)。こうして、
あと3人で整理終了という時だった。社員の代表数人が社長の前に立
ち、自分達の給料を削って構わないから、もう社員整理を止めてくれ
と言うのだった。社長は、役員報酬を返上して乗り切ることを約束し
た。
また、A社長は、無口であったが、困っている社員や取引先の経営
者等の相談には時間を惜しまず徹底的に乗った。狭い社長室を「相談
室」と呼ぶ者もいた。さらに、冠婚葬祭への出席は徹底していた。社
長が自ら出向き、心を込めてお辞儀をした。
X社にも経営危機が何度もあった。しかし、その度に社員は勿論、
関係先が自分の事のように必死な思いで支えてくれた。