■■ Weekly Fax News 483 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 基礎年金 ― 65歳より前に受給すると 」
(2)「 商人道の誠を尽くす 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 基礎年金 ― 65歳より前に受給すると 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
全国民に共通の基礎年金は65歳支給開始です。厚生年金の支給開
始も65歳に引き上げられつつあります。退職後、本格的に年金が支
給されるまでの間、生活資金が十分確保できない人もいるでしょう。
このため、基礎年金には、請求すれば、受給開始を前倒しできる仕組
みが設けられています。「繰り上げ受給」と言って、60歳以降の希
望する時点から受け取れます。ただし、受給開始を繰り上げた期間に
応じて、年金額は減額されます。
減額割合は、1941年4月2日以降に生まれた人の場合、繰り上
げ期間1ヶ月につき0.5%です。1年繰り上げると、65歳から受
け取るときと比べて6%の減額、5年繰り上げて60歳ちょうどから
受け取る場合は、30%の減額です。この減額は一生続きます。
繰り上げ受給が損になるか得になるかは、何歳まで生きられるかに
よります。60歳ちょうどで受け取り始めた場合、受給額の累計は、
76歳半ばで65歳受給開始の場合に追い越されます。その後、次第
に差が開いていきます。繰り上げ開始の年齢が1歳上がるごとに、追
い越される年齢が1歳上がります。
繰り上げ受給を利用すると、その後に障害を負っても障害基礎年金
はもらえません。また、遺族厚生年金の受給権があっても、65歳に
なるまでは一方しかもらえません。国民年金の寡婦年金は受け取れな
くなります。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 商人道の誠を尽くす 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
ある経営者が打ち明けた苦悩である。
「長年、付き合いで価格協定に参加しています。悪い事と知りつつ、
収益が大きいので続けています。しかし、早く止めたいと考えていま
す。本当は、仲間はずれが恐いから仕方ないと自分に言い訳していま
す」
この経営者は、最近まで業界団体役員もしていたが、協定に参加し
ていることに時々不安を感じて悩んでいた。
そこで、二宮尊徳の言動を筆記した『二宮翁夜話』巻之四(福住正
兄筆記)にある「楠木正成」の話をした。
楠木正成は、南北朝時代に足利尊氏と戦って湊川で戦死したが、戦
いの旗に「非理法権天」という文字を記していたと言う。
【楠公旗文】
非 は理に勝つ事あたはず
理 は法に勝つ事あたはず
法 は権に勝つ事あたはず
権 は天に勝つ事あたはず
天 は明らかにして私なし
この意味は、道理・法規・権力等も天命には勝てず、知力・我欲・
弁舌等によって天を欺くことは出来ないというものである。「天は明
らかにして私なし」とは、「誠」が天の道であり、己に克つというこ
とである。正に、「誠は天の道なり、之を誠にするは人の道なり」と
言える。