■■ Weekly Fax News 499 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 年金担保にお金を借りる ― 貸金業者の融資は違法 」
(2)「 経営改善の成否 」
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◆「 年金担保にお金を借りる ― 貸金業者の融資は違法 」◆
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厚生年金や国民年金をもらっている人は、独立行政法人・福祉医療
機構が行っている年金担保融資を利用できます。共済年金にも同様の
制度がありますが、ここでは同機構の制度を説明します。
借りられるのは、10万円から250万円までで、受給している年
金額(年額)の1.2倍が上限です。また、使途には一定の制限があ
ります。借り入れの申込みは、金融機関の窓口で利用者本人が行い、
3週間ほどで振り込まれます。
融資利率は、国の財政融資資金の金利により変動し、現在は年利2.
1%(固定金利方式)です。連帯保証人を立てない場合は、1万円当
たり16円50銭を基準に、年金融資福祉サービス協会に保証料を払
います。
返済方法は、完済するまで年金をすべて返済に回す満額返済と、毎
回定額(1万円単位)で返済し、差額分の年金は受け取れる定額返済
があり、最長2年程度で返し終わる仕組みです。
返済方法は途中で変更できないので、特に満額返済を選択する場合
は、返済中の生活に困らないよう注意する必要があります。厚生年金
や国民年金を担保にした貸し付けは、同機構だけに認められた制度で
す。貸金業者などが年金証書などを預かって貸すのは違法行為です。
違反した業者には罰則がありますが、借りる側も注意が必要です。
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◆「 経営改善の成否 」◆
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X社(機械部品製造業、社員120人)は数年間赤字が続き、経営
改善の一環として役員会で経費削減を検討した。
専務(社長の弟)と常務(社長の長男)は、一部正社員のパート化
又は賞与の大幅カットを主張した。年間約5千万円の人件費節減で、
赤字がほぼ解消されると言う。
これに対して、社長は大反対であった。経営は苦しいが社員も必死
に働いており、また住宅ローンを抱えた社員や教育費に追われている
社員が多いことから、給与水準を落とすことは忍びないと言う。結局、
役員会で決まったことは、社長・専務・常務の報酬を半減することと、
工場の隅にある遊休地300坪を売却することであった。
以上の経過は全社員に伝えられたが、改めて厳しい経営状況に驚く
と同時に、経営者の強い責任感と思い遣りに感動したのである。特に、
幹部社員は社長の決意を切実な思いで聞いていたものである。
この後、X社は幹部社員から平社員まで一丸となり、経費節減は勿
論、コスト削減・新商品の開発・新市場の開拓等に邁進して、4年目
には赤字経営から脱却した。
経営改善は考え抜いた経営計画や戦略が必要である。しかし、その
確実な実行と目標利益の獲得は、取り組む人がその目標に敬服・共感
しなければ成功しないであろう。