■■ Weekly Fax News 512 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 確定申告の期限遅れ ― 正当な理由を巡る裁決 」
(2)「 保証人の重み 」
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◆「 確定申告の期限遅れ ― 正当な理由を巡る裁決 」◆
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国税不服審判所はこのほど、「請求人の平成17年分の所得税の確
定申告につき期限後申告となったのは、請求人が平成18年3月9日
から同月19日まで入院中であったためであり、『正当な理由』があ
るとの主張を排斥した事例」を公表した。本件確定申告書は、作成を
依頼した税理士法人B会計事務所が申告期限内に作成済であったが、
原告は上記入院中の際、精神状態が異常に不安定で、外部との接触を
断ち検査治療等に専念していたため、本人確認ができず期限内に提出
できなかった。よって本件無申告加算税の賦課決定処分は違法と主張
した。
それに対し審判所は「国税通則法第66条第1項に規定する無申告
加算税は、申告納税制度の秩序を維持するためには、納税者により期
限内に適正な申告が自主的にされることが不可欠であることにかんが
みて、申告書の提出が期限内にされなかった場合の行政上の措置とし
て課されるものであるから、同項ただし書の「正当な理由」とは、例
えば、災害、交通・通信の途絶など、期限内に申告できなかったこと
について納税者に責められる事由がなく、このような行政上の制裁を
課することが不当又は酷となるような真にやむを得ない事情をいうも
のと解するのが相当である。」として原告の主張を退けた。
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◆「 保証人の重み 」◆
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知人のAさんは、某商店街の中で、40年以上も洋品店を経営して
いる。商売は比較的順調で、人柄が温厚である為、友人や親類縁者か
ら大変頼りにされている。
ところが、Aさんは学校の卒業シーズンになると憂鬱なことがある。
親類の子息の就職に際して、よく身元保証人となることを頼まれるの
である。甥や姪はともかく、最近はもっと遠い親戚からも声がかかる
のである。以前は気軽に引き受けたが、10年ほど前に借金の保証責
任を問われてからは、「もっと、身近な人に頼みなさい」と言って身
元保証人を断ることにしている。義理人情に欠けるようで大変心苦し
いものである。
Aさんは、知人等から借金の保証人を頼まれると、以前は気軽に応
じていた。しかし、10年ほど前に3千万円の保証責任を問われてか
らは、後で苦しむよりも良いと絶交を覚悟で直ちに断ることにしてい
る。
保証人になることを頼まれた時、「考えておく」という返答が一番
いけないことも分かった。引き受けるか否かの決断の迷いは、相手に
も迷惑を掛けるかもしれない(この人は引き受けてくれるという期待
に背く)。また、こちらも断るまでの時間を悶々として過ごすことに
なる。Aさんは、依頼されたその場で即断ることで切り抜けている。