■■ Weekly Fax News 513 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 新銀行東京追加出資 ― 東京都苦渋の選択 」
(2)「 彼の立地条件哲学 」
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◆「 新銀行東京追加出資 ― 東京都苦渋の選択 」◆
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東京都はこのほど、新銀行東京に対する支援について、東京都産業
労働局より、以下の追加出資を決定し公表した。概要は以下の通り。
都は、新銀行東京からの要請に応じて、追加出資を行うことを決定
し、本日、平成20年度補正予算案として都議会に提案しましたので、
ご報告いたします。
1.支援の内容
出資金額:400億円
出資時期:新銀行東京の株主総会を経て、20年度の早い時期に
実施予定
2.追加出資にあたっての基本的考え方
(1)新銀行東京は、既存の金融機関では支援が難しい中小企業に対
しても融資を行うなど、中小企業融資において、独自の役割を
果たしてきた
(2)高い事業意欲がありながら、資金繰りに窮している中小企業等
への支援を継続していく
(3)店舗を1ヶ所に集約し、人員を大幅に削減するなど抜本的なリ
ストラを進めるとともに、都の関連団体や他の金融機関のノウ
ハウを活用して、確実に収益を見込める事業へ重点化する「再
建計画」を策定した。これを着実に実現する
(4)懸命に努力している既存融資先の中小企業に重大な影響を及ぼ
してはならない。
東京都は補正予算案として一般会計で歳入が財政調整基金の取り崩
し400億円、歳出は㈱新銀行東京への出資400億円で計上してい
る。
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◆「 彼の立地条件哲学 」◆
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小売業や飲食業は大方店舗立地によって決まるようだ。従って、確
実に立地条件の良い場所を探すことは並み大抵ではない。
さて、知人で惣菜チェーンを経営するA社長は、立地条件について
の独特の判定基準と対応策を持っている。要するに、「立地条件が悪
いから売れないのではない。立地条件に見合った店舗設計と運営をし
ないから売れないのだ」というものである。
例えば、埼玉県西部のK駅前通りに出店する時だった。当該店舗
(10坪)はK駅近くの生活道路に面し、半径1.5㎞以内に3万人
以上の商圏人口があった。しかし、最近10年でラーメン店・お好み
焼き店・持ち帰り弁当店・トンカツ専門店と次々に出店と撤退を繰り
返していた。K駅周辺には繁盛している店舗がたくさんあり、なぜ当
該店舗にお客が来ないのか不思議だった。
A社長は3日間当該店舗をあらゆる方向から眺め、且つ当該店舗か
ら人の流れを観察し、建築業者に次のような指示を出した。
主たる店頭看板は道路に向かってではなく、出来るだけ駅方向に向
けること(昼間は駅方向から来るお客が中心で、夕方からはK駅に降
りて家路に向かうお客が多い)。また客層を意識して、若者の単身世
帯が多いので小口パックの品揃えを徹底することにした。この店舗は
現在驚くほど繁盛している。