■■ Weekly Fax News 589 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 発展の話題を蒔く 」
(2)「 一日延ばしの克服 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 発展の話題を蒔く 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
「ライバルA社が新商品開発に成功したそうだ」という話題を同僚
や仲間から聞いた時、どんな気持ちがするだろうか。また、「ライバ
ルB社が業績不振で社員を削減するそうだ」と聞いた時はどうだろう
か。
その感想は人により区々であろうが、経営の発展に大事なことは、
前者のような発展の話題を提供する努力やそのような話題を受け入れ
る度量ではなかろうか。後者のような他社の困窮ばかり話題にしたり、
感心を強くしたりする傾向があるからだ。
経営セミナー修了後の懇親会の席などで見聞きすることであるが、
中心になる話題は大きく分けて二通りある(どちらかが全く無意味な
情報というわけではないが)。
すなわち「海外視察でこんな新鋭工場を見てきた」「わが町の某社
が年内に上場するそうだ」等、新情報や成功事例を紹介するものがあ
る。他方、「X社とY社の共同事業が破綻したそうだ」「Z社の社長
が入院したそうだ」等、他社の失敗や不幸を話題にするものもある。
一般に、悪い情報(他社の失敗や困窮等)は自然に集まるが、良い
情報は努力しないと集まらないと言われている。他社や他地域の成功
を話題にして素直に評価することが、自社の発展に役立つ情報源にな
り、挑戦する自社のエネルギー源にもなる。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 一日延ばしの克服 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
運命に関して、幸田露伴著『努力論』(岩波文庫)は「世上の成功
者は皆自己の意志や知慮や勤勉や仁徳の力によって自己の好結果を収
め得たことを信じて居り、そして失敗者は皆自己の罪ではないが、運
命の然らしめたがために失敗の苦境に陥ったことを嘆じて居るという
事実である」と言う。
一日延ばしの癖を逃れられない運命のように諦めている人があるが、
この一日延ばしの癖ほど怖いものはない。経験上、一日延ばしをしな
いで躊躇せず実行した時は大抵首尾よく行き、取り越し苦労等をして
一日延ばしにより時機を失した時は、ほぼ例外なく成果が無かった
(又は少なかった)。
さて、一日延ばしの克服対策として、例えば次のような手段がある。
1.日常よく一日延ばしをする仕事にはどんなものがあるかをしっ
かり認識する。大抵は優先順位が高く、実行すれば成果が大き
い仕事であろう。日々の行動予定に優先順位を付け、好き嫌い
等の気分に左右されず上位の仕事を実行する。
2.予定や計画に明確な日程や期限を設け、自己への言い訳を絶対
認めない。大きな仕事はいくつかのステップで区切り、各ステ
ップの期限を設けて実行する。
一日延ばしの癖はその人の運命でもないし、避けられないような災
難でもない。