■■ Weekly Fax News 601 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 年末調整後に出産、結婚した社員などへの連絡 」
(2)「 二つの矢 」
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◆「 年末調整後に出産、結婚した社員などへの連絡 」◆
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会社員の所得税については原則、勤務先で年末調整を行うことで完
了する。一般にはそれぞれが確定申告を行う必要はない。
企業の実務においては、12月に支払う給与で年末調整を行うため、
給与の締め日に年末調整に必要な情報なり条件がそろっている必要が
ある。
しかし、出産など当人たちの予定通りにいかない事項もあるため、
その場合は別途確定申告をすることで所得税の還付を受けられること
もある。
たとえば、年調後に本人または配偶者が出産した場合、扶養控除を
受けることができるため、その分の所得税の還付を受けることができ
るし、一定の所得以下の配偶者と結婚した場合も配偶者控除を受ける
ことができる。そのため、企業の給与計算担当者及び総務担当者は年
調後のそのようなケースについては、該当者にその旨を知らせてあげ
るべきだろう。
そのほか、年間の医療費が10万円を超えており、医療費控除を受
ける者、初回の住宅ローン減税を受ける者、年間の給料額が2,00
0万円を超える者なども確定申告をする必要があるので、その案内も
行うべきだろう。該当者は2月16日から3月15日までに本人の住
所地を管轄する税務署にて確定申告を行う必要がある。
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◆「 二つの矢 」◆
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経営には戦略(人・物・金・情報の集中)が必要と言われるが、経
済情報や消費者嗜好の変化等が速く、特定分野の商品や手法に集中す
ることが困難になっている。しかしながら、いくつも商品や技術を用
意して試行錯誤で取り組むことは、真剣さに欠けたり、力が分散した
りする危険がある。
吉田兼好著『徒然草』(第92段、新潮社発行版から引用)に二つ
の矢の話が出てくる。すなわち、「初心の人、二つの矢を持つことな
かれ。後の矢を頼みて、はじめの矢になほざりの心あり。毎度ただ得
失なく、この一矢に定むべしと思え」とある。最初から二つの矢を用
意して射ると、一本目がどうしても疎かになるという戒めである。
また、現在若者の就職難が叫ばれているが、筆者の周辺の若者に限
定して観察すると、その原因の一つが職探しに方針を持っていないよ
うに見える。選別せずに最初から多くの会社を訪問して、特定の会社
と真剣に向き合う姿勢が強くないように思われる。二つの矢どころか
何十という矢を射ている。そのうち一つの矢が当たるだろうと思って
いるので命中率も低く、成功しても全力で仕事に就くという心境に成
り難い。
経営の戦略、就職活動の戦略、販売交渉の戦略等、何であれ、明確
な方針や一点への集中を持って取り組むことが大切だ。