■■ Weekly Fax News 725 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 育児休業をめぐる企業の本音と現実 」
(2)「 プロの醍醐味 」
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◆「 育児休業をめぐる企業の本音と現実 」◆
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周知の通り、平成24年7月1日から従業員数100人以下の企業
においても、短時間勤務制度の導入、残業の免除、介護休暇の制度化
が義務付けられた。中小企業にとっては少なからぬ負担増となるわけ
で、企業としてはやむなく対応するというのが実情かもしれない。
株式会社アイデムが6人以上の社員を雇用している企業1,439
社を対象に行った調査結果によると女性社員の出産について、25.
3%の企業が育児休業を取得せずに退職して欲しいと回答している一
方で、育児休業を取得して復職してほしいと回答した企業は74.7
%に達している。また、男性社員の育児休業取得については、16.
9%の企業が許容できないと回答しており、男性社員の育児休業取得
率向上には、企業側の意識の変革が必要なようだ。
なお、厚生労働省が発表した雇用均等基本調査によると、平成23
年度の女性社員の育児休業取得率は過去3番目に高い87.8%、男
性は前年度比倍増となる過去最高の2.63%となっている。育児休
業取得をめぐる企業の本音はさておき、従業員側の権利行使率は高ま
る傾向にあるようだ。法に定められた権利の行使を妨げることは、大
きな労使間のトラブルにつながるので注意が必要だ。
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◆「 プロの醍醐味 」◆
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志賀直哉の小説に『清兵衛と瓢箪(ひょうたん)』がある。瓢箪作
りに熱中する清兵衛と言う子供が学校の授業中に瓢箪を磨いている時
に教員に見つかり、それを取り上げられてしまう。その教員は瓢箪を
小使いにやってしまうが、小使いは骨董屋に50円(小使いの月給4
ヶ月分)で売って喜んだ。しかし、小使いは骨董屋が地方の豪家に6
00円で売ったことは知らなかった、という話。最終的には骨董屋が
その道のプロ商人として一番利益を得ている。
A氏は40年間リサイクルショップ(宝飾品中心)を経営している。
仕事の最大の醍醐味は、自分の商品鑑定力が同業者等を圧倒して大き
な利益を生んだ時だと言う。例えば、他店で6千円の特殊な真珠ネッ
クレスを見出し、自店では30万円で売れた経験がある。このような
現象は骨董品の世界では珍しくないが、プロの鑑識眼が発揮される瞬
間である。経営コンサルタント等が、売上低迷の相談を受けて店頭や
売場レイアウトの改善、商品構成の変更等によって業績が回復した時
も、プロとしての醍醐味を感得するものである。医療・教育・飲食・
ホテル・その他全ての仕事が同様である。仕事はその道のプロになる
ことによって、競合者との競争に負けない大きな付加価値を得るチャ
ンスがある。